連載：気まぐれゲーム雑記　第359回：GTA5レビュー、あらゆる欲望を満たす町の悪党達の物語

気まぐれゲーム雑記
第359回：GTA5レビュー、あらゆる欲望を満たす町の悪党達の物語

たまには真面目にレビューしてみます。

そこには自由の町があった

AZです。限りある時間の中で、どのようにやりくりするかが人生を楽しく生きるコツです。

さて、GTA5を無事クリアできたわけですが、早速レビューをしてみようかと思います。ネタバレ満載のレビューですので、未クリアな方は注意して下さい。ちなみに、ハードはPS3版となっています。

エンディングのサンセット

クライムアクションの金字塔として間違いなく名を残しているGTA5ですが、今作は3人の主人公がいます。浮気がちな妻に、引きこもりの息子、薬中毒で胡散臭いテレビ番組などに出演しているらしい娘という3人の家族がいるマイケル。地元貧民層の若手でひと稼ぎを狙ってはいるものの中々実らず、他の面々に比べたら圧倒的に良い人に見えてしまうフランクリン。そして、超自己中で自分本位に生きているクレイジー中年ハゲオヤジことトレバー。どれも個性豊かで、それぞれに特殊スキルを持っているのが最大の特徴です。

物語の冒頭は本編より9年前、とある銀行強盗から始まります。銀行強盗メンバーはマイケルとトレバー、その他の仲間達となっていて、綿密に練られた計画である雰囲気を出しながらも、途中で計画が失敗に終わってしまいます。結果として、マイケルは死亡した扱いになり、トレバーのみが逃げ延びる事となりました。そこから9年後、町で稼ぎたいフランクリンさんに、その相棒でありながらもかなり暴走気味なラマーがメインとなり、物語が進行します。

物語が進行する中で、色々な要素が解禁されていき、様々な武器からクルマ改造、スポーツ、株、不動産からストリップクラブまで、あらゆる事ができるようになります。解禁されてしまえば、いつやるのも自由です。また、先のファーストインプレッションで紹介したとおり、スポーツ関連は主にステータスの成長へと繋がります。他にもステルス要素や、射撃訓練、フライト訓練などでステータスアップが可能です。やった行動の大半は無駄になりません。とはいっても、ステータスがカンストしてしまったら、あまりやる意味もなくなってきます。ですが、テニスは普通に楽しめてしまいました……。

ストーリーの締めは、お馴染みのGTA的なノリで終わります。言うなれば、中年悪党の引退劇でもあり、和解劇でもあり、若手悪党の台頭で、最後は悪党よりも悪党を殲滅するといった形で物語が収束します。どいつもこいつも救いがたい悪党達の物語（マイケルさんは引退したいオーラが出過ぎてるし、フランクリンさんは一番マトモっぽいのに暗殺ミッションばかりだし、トレバーさんは……非常に荒んでいます）ですが、それがまた一つの魅力とも言えるでしょう。

GTA史上もっともスケールが大きい本作は、非常に密度が濃いモノでした。好みに合う合わないの個人差はあるものの、出来としては非常に良いです。今後は、GTAオンラインがいつ解禁されるのかが、日本での注目点となります。マイケル、フランクリン、トレバーの物語は、GTAオンラインへの導入とも見られる内容です。シリーズとしては相変わらずですし、3人の悪党が織りなす狂った世界観を堪能したい人にお奨めしたい一本ですね。