気まぐれゲーム雑記
第236回：4Gamerさんの2012年度ゲーム関連各社決算まとめを見るとかなり面白い、と言う話題

企業にとって、お金の流れは大切なのです。

なんだかんだと決算は大切

ゲーム開発は企業が投資して行います。それが例えどんなクソゲーであったとしても、です。
その売上げがどうなっているのか、というので企業がどのように考えているのかが何となく見えてくるのが決算でして、当ブログでも出て来た数字をみてなんとなーくの意見を書いたりしています。

そんな中、4Gamerさんがゲーム関連各社34社の決算をひとまとめにして公開しました。詳しくはこちら。
各社についてかなりわかりやすく書いてありますが、4Gamerさんのまとめに注目してみます。以下まとめ。

• 新機種への期待やスマートデバイスの普及など追い風要素は増えてきているが、そういった状況に対応するための動きも目立った
• PCオンラインゲーム関連で非常に目立っている
• コンシューマゲーム関連企業がソーシャル進出して収益を安定化させる手法はかなり一般化してきている
• ソーシャルゲーム業界の収益は伸び悩みを示している
• カードゲーム熱も沈静化しつつあり、スマホでのゲーム市場はブラウザ中心からネイティブアプリにシフトしていくはずだったが、市場の速度に各社が対応できていないのが窺えた

簡単にまとまっていると見ているこちらも楽で良いですね。
というわけで、本日はそんな業界の動き的な話を書いてみようかと思う次第です。

ソーシャルゲーム業界も変化しそうな流れ

やはり、企業である以上は収益を安定化させなければなりません。ともなれば、回転率の高いソーシャル系に企業が注力していくようになるのは仕方がないところでしょう。とはいえ、そこはバランスの問題でもあり、ソーシャルゲームを出してブランドを潰してしまっては意味がありません。各メーカーは、そういったユーザーの気持ちも汲み取って開発をしてもらいたいものです。

また、メディアである4Gamerさんが「カードゲーム熱も沈静化しつつある」と判断したのは面白いところです。すでにカプコンなどもそういった趣旨の発言をしていますが、これはソーシャルゲーム業界のゲーム自体が次のステップへと進まなければならなくなったという事でもあります。
あとは、モバゲやGREEのようなプラットフォームに頼らなくてもパズドラのようなネイティブアプリで勝負すれば良いというベースは出来つつあるということも言えるでしょう。ともなれば、スクエニがソーシャルでシングルプレイをするようなゲームを出して勝負する、といっていたのは上手くいくのかどうかが注目されるところです。その成功の可否で、ソーシャルゲームのユーザー層とコンシューマ機のユーザー層にどれくらいの差異があるのか、何となく見えてくるかもしれません。

そんなソーシャルに全力投球してきたのがレベルファイブです。iOSやAndroidに3作品発表しましたが、特にワンダーフリックという作品の謳い文句は「レベルファイブ史上、最も壮大で、最も身近なファンタジーRPG、始動。」というものでした。ファンタジーライフやら何やらと外注が多い部分もあったレベルファイブですが、ワンダーフリックについては日野氏自らが企画からプロデューサー、ディレクターを兼ねる力の入れようです。今までのレベルファイブが力を入れてきた作品達は何だったの？　といわんばかりな謳い文句ではありますが、当面はこちら方面に注力するという事の表れにも思えます。別にレベルファイブが今後コンシューマ機にゲームを出さないわけではないでしょうから、稼げるところで稼げば良いとは思いますが……。

今のソーシャル業界が停滞しつつある中で、レベルファイブのように全力投球してくる企業のような動きが今後加速するのかどうかが注視される中、Wii UやPS4、Xbox Oneなどの新ハードがどれだけの存在感を出せるのかがゲーム業界では注目されていくようには思えます。今年はあらゆる企業が勝負の年でもあるので、どの企業も良い結果を残してくれるよう頑張ってもらいたいものですね。