連載:気まぐれゲーム雑記 第206回:任天堂の平成25年3月期 決算説明会が公開、と言う話題

気まぐれゲーム雑記
第206回:任天堂の平成25年3月期 決算説明会が公開、と言う話題

少々長くなってしまいました。

内容が多いわけで……

先日任天堂が決算短信を公開したのに併せる形で、決算説明会の情報が公開されました。元々大きく取り上げる気はなかったのですが、まとめていたらどえらく長くなってしまったので、ちゃんと雑記として大きく取り上げておこうと思った次第です。決算説明会のページはこちら
で、この説明会の要点をまとめると次の様な感じ。

  • 3DSの市場シェアは昨年に比べると日本は変わらず、アメリカやヨーロッパは若干改善した
  • 市場規模全体は、アメリカが25%減、ヨーロッパ29%減と勢いがない状態だが、日本は1%プラスだった
  • アメリカではファイアーエムブレム、アメリカとヨーロッパでルイージマンション2、モンスターハンター3 Ultimate(日本でいうモンハン3G)で徐々に改善されつつある
  • 一方でWii Uは新作ソフトの投入が途切れてしまい、じっくりと普及に取り組んで勢いを構築し直す必要がある状態
  • 為替レートは、1ドル90円、1ユーロ120円で計算するのを前提に営業利益1000億円を予想
  • 3DSの今期最優先課題は、海外市場の活性化で、自社の有力ソフトを集中的・積極的に出す
  • また、他社が出しているタイトルも海外展開を積極的に推進する
  • 3DSに対して海外メディアの論調も、良い方向に変化が出てきている
  • Wii Uは有力ソフトの発売間隔が空いてしまったため、以前の見通し以上に勢いを維持することができていない
  • 7月発売の「ピクミン3」以降、来年にかけて自社の有力タイトルを集中的に展開し、ハードを牽引したい
  • 今年の夏以降年末にかけて、「優れたゲームがたくさん揃ってきた」と実感できるよう努める
  • E3を通じて、具体的に知らせるようにしたい
  • ミーバースをPCやスマートデバイスから閲覧可能なベータ版を公開したし、3DSにも導入予定
  • ダウンロード売上は過去最高になっていて、デジタルビジネスに強い勢いが出てきた
  • どうぶつの森の出荷数は386万本で、ダウンロード版は出荷本数全体のおおよそ4分の1になる
  • ダウンロード版の販売は、3分の2がダウンロードカードで小売り店での販売だった
  • ダウンロード版を一度購入すると、次もダウンロード版を選択されやすくなる
  • 最近のニンテンドーダイレクトでも、YouTube経由の視聴数それほどのびていないのに、eショップ経由で10日間ほどの間に50万から60万の視聴が珍しくなくなった
  • Wii UのNFC機能を使って、Suicaでの決済ができるように検討を進めている
  • これにより、少額でのビジネスを得意としているビジネスパートナーにもビジネスの機会を提供できる
  • E3では大規模なプレゼンは行なわない替わりに、小規模なアメリカ向けソフトに焦点を当てた複数のイベントを計画している
  • 一つは、アメリカ流通関係者向けのクローズドなイベントで、もう一つはヨーロッパのゲームメディアを対象にしたクローズドな体験型イベント
  • これらクローズドなイベント以外に、E3の時期に任天堂からゲーム情報を家にいるプレイヤーに直接届ける新しい方法を継続して検討中
  • 日本にいる人達へは、ニンテンドーダイレクトでE3のタイミングに合わせて海外と同時に日本でこれから発売していく予定のソフトを中心に情報発信する予定
  • 取締役の人事異動があるが、これは世代交代を行なう目的
  • 海外市場の勢いを回復するのが最優先課題なので、海外事業は社長直轄の体制で挑む予定

流石に、すべてに対してアレコレ書いていたらとんでもなく長くなってしまいます。ですので、本日はこの決算説明会のポイントを書いてみようかとは思う次第です。

本当はポイントがたくさんあるけど……

重要と思える点は山ほどありますが、ある程度絞り込みます。
まず、3DSは言われていた通り、海外市場での足場固めから勢いを取り戻すまでの道のりが最優先とされています。これが達成できるかできないかで、 営業利益1000億円が達成できるかどうかの分かれ目になるので、海外事業が社長直轄になるのも頷けるところです。この海外事業を社長直轄にすることが吉と出るかどうかは何とも言えないところですが……。また、自社に限らず他社のタイトルも積 極的に推進していくということで、とにかく海外で3DSを売ろうという意気込みは感じられます。

Wii Uに関しては問題を的確に捉えているのはわかりますが、ここから分かることは情報は6月のE3、ソフト販売は7月まで目立ったアクションは余りなさそう、という事 でしょうか。ここだけは、悪態をついてもヨイショしても現実は変わらないところまで行き着いています。
また、MiiverseはPCやスマホで動きがありましたが、ベータ版ということもあってか今のところニンテンドーIDはWii Uがないと作れません。今後はベータ版からどのように変化があるのかと、さらに広めるためにどうするのかが注目されます。現時点では、Wii Uを買うしかありませんので……。こちらもまだまだ課題は多いです。

さらに、E3も出展はするけどプレゼンはしない、というスタンスはPS4やXboxの次世代機を考えれば無難なところでしょうか。ソフト情報は出せたとしても、新ハード情報の方が目立つというのは想像に容易いでしょう。それにニンテンドーダイレクトをすれば1回で50万なり60万なりeショップに誘導できるというのは、中々の威力を持った宣伝手法に育ったとも見る事ができます。
とはいえ、E3はメディアや業界関係者達にアピールする場でもあるわけですし、他メーカーはさほど目立ったタイトルがない時でも発表はしていました。プレゼンをしないと言う事はそういうリスクも考慮の上で選択した事でしょうから、流通やユーザーに直接訴える手段を講じた方がプラスである、という考えがあるのは見て取れます。ついでに、人事は世代交代を狙ったモノと言っている通り、おやめになられる皆様は総じて高齢な方々です。今年の結果がどうなろうとも企業は続いていくわけですし、役員の若返りを図るのも当然の流れでしょう。

気になるところとしては、やはり営業利益1000億円を達成できるかどうかです。3DSを海外市場でヒットさせつつ、Wii Uは年末くらいにはソフトの充実が実感できるようにして、明確に「売れている」という空気を作らないと難しいモノがあります。この2つが達成できてやっと成功するレベルなので、果たして試みが上手くいくのかどうかが注視されます。あとは為替レートが来年の今頃、どうなっているのかも大きなポイントになるでしょう。……まぁ、為替レートだけはもはやその時にならないとどうにもなりませんが。

本当の意味で今年は任天堂勝負の年となったわけですが、果たして今回の施策がどのような結果を生んでいくのでしょうか。3DSにWii U、共に頑張ってもらいたいですね。

[情報元:任天堂:平成25年3月期決算説明会より]

しょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しゃきーんさん:任天堂さんの平成25年3月期 決算説明会が公開されたという話だ。

しょぼーんさん:一言で言ってしまえば、下地が出来ていないWii Uはノンビリと今年後半から勝負で、3DSはラインナップも揃ってきたし一気に勝負かけるよ! ってな事っす。あとはE3も踏まえて自分達で情報発信していくよってな感じかな。

しゃきーんさん:まぁ自分達で情報を出していく大切さをわかってるのはいいんじゃねの? 今年は勝負の年になるんだし、頑張ってもらいたいモノだ。

しょぼーんさん:ルイージの年が勝負の年というのも何ともアレな感じがしないこともないんだけど、来年の今頃にゃ良い結果が出ていると良いねぇ……。

連載:気まぐれゲーム雑記 第206回:任天堂の平成25年3月期 決算説明会が公開、と言う話題に関するしょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん

しゃきーんさん

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