連載:気まぐれゲーム雑記 第205回:ゲームの社会的地位はまだまだっぽい、と言う話題
気まぐれゲーム雑記
第205回:ゲームの社会的地位はまだまだっぽい、と言う話題
社会と業界の認識のズレを感じるのです?
開発者だから言える事
ゲームと言えば、日本では一大産業を成している……気がしないこともありませんが、海外では風当たりがまだまだ強いジャンルでもあります。
昨今においては、アメリカの銃規制問題でなぜかゲーム業界が諸悪の権化にされたり、銃乱射事件ではまったく関係ない三国無双が取り上げられたり。やはり、人の目には知らない業界だと奇奇怪怪に映るのでしょう。得てして難しい問題です。
そんなゲーム業界ですが、「Heavy Rain」の製作会社であるQuantic Dreamの共同設立者Guillaume de Fondaumiere氏がビデオゲームの社会的地位について言及している記事が掲載されました。詳しくはこちら。
さくっとまとめると、次の様な感じです。
- テレビゲームについてインターネットで調べると、暴力的な中毒性のあるものとされているが、文化的な存在や文化的表現と称されることはない
- 業界が若い事が原因で、ゲームは子供のものという見方が今でも残っている
- ゲームをプレイして育った人達も大人になり、今までとは異なるゲームをプレイしたがるようになった
- ゲームの芸術性は増しているし、そう認識される事は重要だと考えている
- そう認識されることでビジネスにも繋がる
- 暴力的行動や中毒者的な振る舞いの原因がゲームにあるとは考えていないが、慎重になる必要がある
- レーティング制度は優れているが、制作者の意図よりも下の年齢層がプレイしていることも知っているので、自分達の作品にはもう少し責任感を持つべき
- ゲームは長年に渡っておもちゃとして認識されているため、映画よりもはるかに制限が厳しい
- 毎年のように同じゲームを作り続けていてはだめで、新規タイトルを生み出しよりクリエイティブになっていかないと、ゲームが芸術的なものとして認識されていかない
なんとなく言わんとしたい事は伝わってきます。
というわけで、本日はそんなゲームの社会的地位は日本に限らず世界的にもまだまだじゃない? というのをアレコレ綴ってみようかと思う次第です。
そもそもがネガティブから始まった
今から結構昔の話ですが、ゲームだけに限らず、アニメなどいわゆるサブカルチャーに属する娯楽というのは何かに付けて目のかたきにされてきました。だからこそ、こういった趣味の持ち主は基本的に表に出すことはほとんどありませんでしたし、隠れた趣味として嗜んでいる人達の方が多かったとは思います。この時点で、世間の印象はネガティブなものでした。ゲームをしていたらバカになる、なんて良く言われたものです。……まぁ、今でも勉強もしないでゲームに没頭していたら駄目ですけど。
そこから色んな努力があってか、ゲームは日本の一大産業になっていました。そして人の見る目も変化していきます。ですが、古い頃からの印象を引きずってか、未だにゲームを悪しき物として見る人も多いのが現実です。無関係にもかかわらず、メディアがゲームや漫画、アニメやらと犯罪を結びつけたがるケースは、そういう人達なのでしょう。
確かに、表現がギリギリすぎて大丈夫なのかどうか不安になるゲームというのも多々あります。ですが、そこに明確な基準はなく、どこからどこまでが許されるのかというのは酷くアヤフヤです。個人的にアウトだと思う作品であっても、セーフであることもあるわけで、その逆もまた然りと言う事になります。そういった明確な基準がわからないからこそ、知らない人にとっては受け入れがたく、話がややこしい方へ進んでいく一因になっているというのも考えられるでしょう。
社会的地位というのが低いと、どうしても目のかたきにされやすい傾向が生まれます。だからこそ、Quantic DreamのGuillaume de Fondaumiere氏は社会的地位を向上させたいと言うのは、とても共感できる話です。ですが、それは容易なことではありません。理解しようとしない人達にも理解してもらおうというのは実に大変な事です。それらを今後、どのように解決していくのかが重要になりそうですね。少しずつで良いから着実に、業界の社会的地位が上がってくれるのを願いたいものです。
しょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会
:なんかゲーム業界の社会的地位がどうこうって話があったので、ちょこっと書いて見ました。
:まぁ、昔に比べりゃ随分と表舞台に出るようになったよな。
:これもまた時代かなーと。でも、社会的地位がまだ高くないのは間違いない事だし、うまいことやっていってもらいたいところです。……ソーシャルも含めないと駄目なんだろうなぁ……。
:わからん人からみりゃ、みんな一緒の「ゲーム」なんだろうしな……。
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日本でも一時期ゲーム脳なんて言われましたしね。
まあ暴力性に関してはゲームの性質上敵対関係が存在しないと成り立たない部分もありますし難しい所ですね。