連載:気まぐれゲーム雑記 第130回:ユーザーとビジネスと娯楽が色々ごっちゃになってややこしい、と言う話題

気まぐれゲーム雑記
第130回「ユーザーとビジネスと娯楽が色々ごっちゃになってややこしい、と言う話題」

クオリティを求めるか、回転率を求めるか。

ユーザーとメーカーのすれ違い?

今なお色々とビジネスモデルが変化している昨今において、ゲームの質が問われるようになってきました。
特にSNS系のゲームは据え置き機や携帯ゲーム機と一線を画しているものが多いのが現状です。もちろん、パズドラのようなSNS系ゲームとしても正しくヒットするモノもあるでしょうが、あまりクオリティが宜しくないという認識は現時点において不動のモノでしょう。

そんな現状を憂いた記事が掲載されました。詳しくはこちら
どちら様が書いたかと言えば、「PLAYISM」を運営するアクティブゲーミングメディアの代表である「イバイ・アメストイ」氏です。中々に面白いアプローチで書かれていて、文章自体は実に外人さんらしいモノですが、内容はかなり的確なモノです。
まとめると次のような感じです。

  • イバイ氏にとってとある物語の一番インパクトのあるシーンは、イカダをロープで繋いだボートが漂流していたが、助かりたいがために夜中に誰かがロープを切ってイカダを見捨て助かるというもの
  • その際の「置き去りにしないでくれ!」という一言は、物語において凄く深い
  • だが、日本でこの物語を再現した際は、ボートに繋いだイカダのロープは勝手に切れた事になっていて、「置き去りにしないでくれ!」と叫んでいた
  • 2つの物語は同じ言葉でも意味合いは全く違う
  • こういった感じの失敗が、日本のゲームにも起きているし、ケースがふえていっている
  • 今の日本ゲーム業界は品質よりも早さを優先するようになっていて、特に海外に提供する際は、早さを求めすぎて何でもOKと言う思想がうまれている
  • どこにでもあるようなコピー作品を作るよりも、本当に影響力のある革新的な新しいコンセプトでつくりあげるべきではないか
  • 海外のゲーマーは、品質の高い日本のゲームを待ち望んでいる
  • 日本のゲームは、10年前にはその良質さがあった
  • 早さを求める事は決して悪いことではないが、すべてを短時間でやろうとしてはいけない
  • 今のテクノロジーを駆使すれば、素晴らしい作品ができると確信している

これはまた奥が深い。
これを少々強引ではありますが、端的に一言でまとめると「ゲームを開発する側は、ゲームをする人の意図を読み取って、しっかりと時間をかけて品質の高いモノを製作して欲しい」といった感じでしょうか。
というわけで、本日はユーザーとビジネスと娯楽の関係ってややこしいなぁ、という話題をしてみようかと思う次第です。

ユーザーと市場

我らゲームユーザーないしゲーマーは、ゲームメーカーから見れば大切な顧客です。顧客はゲームを買って、そのゲームに評価を付けたりして、ゲーム市場に価値があるようにしていきます。もうちょっと言えば、各ゲームメーカーへの価値、というべきでしょうか。まぁ、つまりゲームを買う人(ユーザー)がいるから、ゲームを開発する人(メーカー)が生まれ、それを支えようとする人達(投資家など)がでてくるという流れを持って、市場が形成されていくわけです。これは、どの市場も似たようなモノです。

ですが、誰しもがゲームを買うというわけでもありません。しかし、そういった人達にもアピールするかのように、新しいビジネスモデル「Free to Play」は、無料が基本的なベースとしてあります。Free to Playの場合、そこからどうやってお金を支払わせるか、という仕組みに特化したモノが多く、そこにゲームとしてのクオリティを求めるとなると、中々にバランスが難しくなっていきます。
特に端的に言えば、どのメーカーも「開発費がかからないゲーム開発」をしたいのです。そりゃビジネスですので、どれだけコストを抑えつつ開発ができるかと言うのは、命題といっても過言ではないでしょう。

日本の各メーカーは、SNS系ゲームに力を入れつつも、据え置き機や携帯ゲーム機での開発を手がけているメーカーが大半になっています。特に、据え置き機や携帯ゲーム機よりも開発費がかかりにくいSNS系ゲームは、お金を支払わせるような仕組みに特化しているので、より早く資金が回収できるというのは想像に容易い事です。それが健全であるかどうかは何とも悩ましいところかもしれませんが、何よりもビジネスである事が第一なので、稼がない事によって自社が潰れていては世話がないというものでしょう。

メーカーがユーザーの方を向くのか、ユーザーがメーカーを見限るのか

SNS系ゲームがどんなに微妙そうに見えていても、「稼ぎがしっかりとあり、現時点で据え置き機や携帯ゲーム機よりも稼げている」という現実があります。そこらへんは決算発表とかを見れば大体わかるものでしょう。ともなると、企業がそちらも手がけたいと思うのは至極当たり前な話でもあります。

ですが、メーカーは今後しっかりと市場を見極めないと、従来のユーザーが愛想を尽かしてしまう可能性は捨てきれません。ユーザーは思った以上にしっかりと情報を捉えていて、そのことに敏感です。余りにも変な手を打っていると、ユーザーはついていけなくなるでしょう。……どことは言いませんけど。

任天堂が推し進める従来通りに近いビジネスモデルが今なお続くのか。それとも、オープンなプラットフォームがどんどん進み、SNS系ゲームが主流となっていくのか。今後、各メーカーが取るスタンスがどうなっていくかはわかりません。
ですが、やはりゲーマーとしてはゲーム専用機があってこそのゲームをしたいとも思ってしまうものです。願わくば、どのメーカー様もしっかりとしたクオリティになっているゲームがたくさん出てきてくれる事を、切に希望したいですね。

しょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん:ゲーム開発とかそれをプレイする人とか、興味はないけど儲かりそうだから資金は提供するとか、色々なしがらみがあってゲーム開発されてるんだよーってお話です。

しゃきーんさん:んー。わかるような、わからんような……。でも、今の何か変なような状況っていうのがわかりそうな気はする話題だな。

しょぼーんさん:イバイ氏の言うとおり、クオリティを高めて欲しいってところなんだろうね。でも、早くリリースしないと資金は回らないわけで、そのさじ加減が求められている部分なのかもしれない。……ビジネスである以上はしょうがないけど、お金稼ぎと開発を両立するのは大変だねって事で。

しゃきーんさん:何とか両立して、多くの人を魅了するようなゲームがでてきてほしいもんだわ。

連載:気まぐれゲーム雑記 第130回:ユーザーとビジネスと娯楽が色々ごっちゃになってややこしい、と言う話題に関するしょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん

しゃきーんさん

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