連載:気まぐれゲーム雑記 第128回:THQの競売が終わって色々と終わった感じがした、と言う話題

気まぐれゲーム雑記
第128回「THQの競売が終わって色々と終わった感じがした、と言う話題」

また一つ歴史に幕が降りたのです……。

THQの各スタジオ、IPが競売に

ついに、THQの各スタジオやIPが競売にかけられました。色々と情報が散らばっているのですが、競売の結果は以下の通りです。

  • セガがRelic Entertainment(Company of HeroesやWarhammer 40,000: Dawn of Warのスタジオ)を買収
  • Koch Media(デッドアイランドを開発したDeep Silverを有するグループ会社)がセインツロウやRed FactionのVolitionとMetroを買収
  • UbisoftがSouth Park: The Stick of TruthとTHQモントリオールを買収
  • Take-TwoがTurtle Rock Studiosが開発中とされている「Evolve」を買収
  • Crytekが、自社で開発をしていて元々THQがパブリッシャーとして販売する予定だったHomefrontを買収
  • DarksidersのVigil Gamesは買い手がつかず、事実上の解体状態へ

ざっとこんな感じでしょうか。

これで、THQは解体が決定したこととなります。ビジネスは何とも難しいものです……。
というわけで、今日はTHQの買収したりされたりした部分を紹介していこうかと思う次第です。

それぞれの思惑

まずは、セガがRelic Entertainmentを買収したのは、やはりCompany of Heroesとトータルウォーの2本柱を作りたかった、という事でしょうか。日本ではトータルウォーはPCゲーマー達しか知らないようなタイトルではあると思いますが、海外ではしっかりと地に足を付けた人気があるRTSです。そこに、Company of Heroesが加わればRTSのジャンルでかなり幅を利かせる事ができるのは間違いないでしょう。

次はKoch Mediaですが、この企業はデッドアイランドで一躍有名になったDeep Silverを有するグループ企業です。今後はDeep SilverがVolitionスタジオや、Metro、セインツロウといった各タイトルを取り仕切ることになるでしょう。デッドアイランドとMetroは同じFPSですが、デッドアイランド1つよりもメジャータイトルが加わる事で強化されますし、なによりセインツロウも手に入れる事ができたのは大きいのではないでしょうか。

また、UBIは結構面白いことになっていて、South Park: The Stick of Truthはともかく、THQモントリオールは元々「UBIに所属していたアサシンクリード誕生の中心人物とも言えるPatrice Desilets氏が、UBIを退社後にTHQへ入った時に作られたスタジオ」だったりします。2010年にUBIはTHQを提訴し結局はTHQが勝訴しましたが、今回の買収によりPatrice Desilets氏が再びUBIに戻る事になるのかどうか、注目が集まっているところです。

Crytekは、CrysisやFar Cryなどを手がけてた実績のあるメーカーで、特にCryEngineは評価が高い事でも知られています。そこが、Homefrontの開発を担当していたので、自社で買い取った形となります。今後は、どうやって販売までこぎ着けるのかも注目したいです。

最後にダークサイダーズのVigil Gamesはどこも買収しませんでした。これは意外にも思えますが、そちらまで手が回らなかったか、競合するジャンルを所持している、と見るべきでしょうか……。今後のシリーズがどうなるのかも含め、まだまだ注目しておいた方が良さそうです。
なお、Take-Twoが買収した「Evolve」は、日本だと「Left 4 Dead」で知られているTurtle Rock Studiosが開発中でした。ここらへんは、Turtle Rock Studiosが今後どうするのかに注目が集まっています。

THQに関する一連の流れは概ね決着

THQの経営危機に始まった一連の流れは、これで大筋終了となっていきます。あとは、ダークサイダーズのVigil GamesやTHQ本社がどうなっていくのかという行く末を見守るほかないでしょう。……かつて、日本にもあったのかと思うと、何ともビジネスの難しさを痛感します。

現在、日本で出ているTHQタイトルが今後どうなるのかはまだわかりません。それぞれの買収先で発売されることになるかもしれませんし、どうなるかは買収先の考え方次第でしょう。とはいえ、気になるTHQタイトルがあればある程度のタイミングで買っておくのもいいかもしれません。

去年の38Studio閉鎖の時も随分と話題になりましたが、今回はそれよりも大手であるTHQの解体という、ゲーム業界では大きいニュースだと言えます。日本ではまだこういった事例がないだけにある程度は安心できますが、どういったユーザーが何を求めているのかしっかりと市場を見極めて、舵取りを間違えないようにしてもらいたいものですね。

[情報元:Joystiqさん, Joystiqさん, VG247さん,doope!さん,Choke Pointさん]

しょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん:THQが終わっちゃったよ……、と言う話題でした。

しゃきーんさん:中々に競売はすごかったな。

しょぼーんさん:どのメーカーも基本的にどんなタイトルでも欲しいんじゃなかろうか。ダークサイダーズに手が出なかったのは惜しい気もするし、広く呼びかければ手を挙げるパブリッシャーも居そう。……はてさて、今後各スタジオはどうなるかねぇ?

しゃきーんさん:買収先でちゃんと雇用されつづけ、良いタイトルがでてくれることを願うほかないな……。

連載:気まぐれゲーム雑記 第128回:THQの競売が終わって色々と終わった感じがした、と言う話題に関するしょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん

しゃきーんさん

しょぼーんさん

しゃきーんさん

記事にコメントを書く