連載:気まぐれゲーム雑記 第118回:良くも悪くも新ハードを流行らせるのは大変そうだ、と言う話題
気まぐれゲーム雑記
第118回「良くも悪くも新ハードを流行らせるのは大変そうだ、と言う話題」
ゴールは一体どこにあるのか? というのは誰しもが知りたいところなのです。
ダイオウイカに感動した
ゲームの話とは全然関係ありませんが、NHKが生きたダイオウイカを放送しました。
いやはや素晴らしいものでして、世界にはまだまだ未開の地があるのだなぁと改めて思いました。そして何が凄かったって、潜水艇がすんげぇ進化していたことです。球体になっていて、340度を見渡せて水深1000メートルまで潜れると言う優れ物。技術の進歩とはとても早く、日々進歩し続けているというのも痛烈に感じました。
そんな技術進歩が著しい世界ではありますが、ゲーム業界では昨年Wiiの後継機たるWii Uが発売され、そのWii Uについて色々と思うところを任天堂社長の岩田氏が述べているインタビュー記事の後編が日経にて公開されました。詳しくはこちら。
さくっとまとめちゃうと次のような感じです。
- Wii Uのゲームパッドはタブレット端末的なものも相まって、市場やメディアの評価が厳しい
- 任天堂の岩田氏曰く、毎週の数字(売上)で一喜一憂してもしょうがないと考えている
- Wii Uはゲームパッドで2画面のゲームを提供したかったが、iPadの登場でタブレットをゲーム機に付けただけで革新性がないという印象を持たれてしまった
- ネットにはみんなでみたら面白いものがたくさんあるので、ゲームに興味がない家族もWii Uに興味をもって貰える存在になれる
- 今でも「ゲーム人口拡大戦略」を思っているし、「お母さんの敵にならない」という発想は変わらない
- 任天堂ファンな発言をしてくれていた人達がミーバースでハッピー状態なので、ネットではあまり発言しなくなったらしい
- ミーバースというSNSを作るのは馬鹿げているといわれたが、ツイッターやフェイスブックのソーシャルグラフ(関係性)は、一緒にゲームを楽しむものじゃないと考えているので、ゲームで繋がれるSNSを作った
- 任天堂らしいソーシャルゲームへのインフラとして、共感をテーマに作られたのがミーバース
- ミーバースはPCやスマホからも「遠い先ではない時期に」閲覧可能となり、3DSにも広げていく考え
- ミーバースとどうぶつの森が一体化したら、もっとすごいことを起こせるチャンスがある
- 2013年は新ハードが出ないから、ソフトで喜んでもらえるように頑張る
何とも任天堂らしい記事内容になっていますが、やはり現状は少々厳しいように思えちゃったりもするかも? と言った話題をしてみようかと思う次第です。
市場やメディアの評価ってどんなもんよ?
市場と言えば、株式市場の事を指します。メディアは、4Gamerやらファミ通やら電撃やらそこらへんでしょう。市場の評価は投資家の思惑がストレートに現れてくるので、結構わかりやすいモノになっています。紹介した記事ですと、そういった情報で一喜一憂しない、という事でもありますが、市場がどういった風に捉えているのかをわかりやすく書かれている記事がプレジデントにありました。詳しくはこちら。
ざっとまとめると次のような感じ。
- Wii Uが業績回復の起爆剤となるのは容易ではない理由が3つある
- 1つ目は、Wii UはWiiに比べると革新的ではなく、Miiverseも未知数
- 2つ目は、ハードを安価で販売し、質の高いソフトで利益を稼ぐビジネスモデルが、スマホやタブレット端末のモバイルゲームの登場で市場が細分化された
- 3つ目は、モバイルゲームの普及により競争環境が激化し、需要と供給のマッチングがより求められる事になる
- 以上の理由から、かつての利益水準まで回復するにはもうしばらく時間がかかりそう
言い得て妙な話で、大体は最初に紹介した内容がこれらの内容を潰している感じになっていますが、客観的に見てみると「市場の評価と任天堂、任天堂ファン、ゲーマーと言う4者の認識が違う」と言えてきそうです。
例えば、ゲームパッドは革新的じゃないと評したプレジデントですが、任天堂としてはそもそも2画面でのゲームを提供したかったのでiPadと比べる事自体がナンセンスである、と言いたい……のでしょうかね? 良く言えばそんな感じに思います。
ですが、プレジデントの言うとおり、Miiverseはサービスが始まったばかり故に未知数であるには間違いがないでしょうし、iPad云々は「商品は先に出した方が勝ち」である事は明々白々です。例え本質的に違うものでも、似ていて比べられてしまうというのは、その内容を知っている人と知らない人の違いであって、ゲームを知らない人に理解してもらうには近場のモノで説明するほかありません。ここらへんは、アメリカで起きている暴力ゲームを理解できるか否かの云々と似たようなものですし、触る機会が少ないWii UがiPadと本質的に違う、と認識するのは難しいです。
また、任天堂ファンからすれば、「MiiverseやWii Uは可能性の塊に映っている」と思いますし、現にMiiverseはPCやスマホ以外にも3DSでも使える可能性を示唆しています。そうじゃないゲーマーから見れば「2画面だろうが何だろうが、食指が動くような面白いソフトを提供してくれればOK」でしょう。
新ハードの難しさ
新ハードが出た際、すべては「買う価値があると思えるかどうか」の一点に尽きます。Miiverseやゲームパッドは遊びの可能性の一つに過ぎず、最終的には価格帯やソフトでどう楽しませてくれるのかと言うのが最大の決め手になるでしょう。そういったことは、Vitaも似たようなモノだと思っています。
Wii Uは現時点で、任天堂ファンやモンハンに期待している人達がWii Uを買った流れになっていて、岩田氏や多くの人が予想していたとおり今年どれだけソフトで多くのゲームユーザーを驚かす事ができるかに焦点があたります。もうちょっと突き詰めていえば、任天堂タイトルは任天堂独占なのでわかりきっているから、サードパーティからどれだけタイトルを独占できるか、が勝負どころでしょう。
今のところ、まだスケジュールがガラガラな雰囲気満載ではありますが、果たしていつ頃埋まってくるのでしょうか? 現時点では少々厳しいながらも、Wii Uならではの独占タイトルがどれほどになって市場価値がどれほど上がっていくのかを、Wii Uを持っている身としましては長期的に生暖かく見守りたいですね。
しょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会
:任天堂はWii Uでどういった頑張りをみせるのかーみたいな話が出てたので、Wii Uを持っている身として頑張って書いてみました。
:貴様の場合、ソフトよりもブラウザ目的というとんでもない理由で欲しがったわけだがな。
:それもまた一つの魅力ってことかな。ともあれ、随分とインターネットとの融合的なものを果たそうとしているのかなー? って思いました。でも、結局は面白いゲームが出るか否かだから、頑張って面白いゲーム作ってサードパーティ呼び寄せてね! ってことで。
:……まぁ、それが一番正しい答えなんだろうけど、それ言っちゃったら根も葉もないよな……。
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