連載:気まぐれゲーム雑記 第113回:グリーが色々とやらかした話題に乗ってみる、と言う話題
気まぐれゲーム雑記
第113回「グリーが色々とやらかした話題に乗ってみる、と言う話題」
まぁ、予想通りの結果でした。
風の噂は噂じゃなかった
ソーシャルゲームとやらでお馴染みのグリーが、新年早々やらかしました。詳しくはこちら。
内容は、未成年者に対して設定していた課金上限額を上回る請求をしていたというモノで、期間は2012年4月から9月。対象者は延べ733人で、超過課金請求額の合計は約2811万円と、中々に素敵な金額です。1年で500万稼ぐサラリーマンの5年半程度のお金をたった5ヶ月で集金したと言う事になります。
そもそもにこの話をもうちょっと紐解くと、未成年でありながらフィーチャーフォンでクレジット決済を選んだ人のみが、上限が効かないというミスが起きていたのが原因です。また、グリーが公表しなかった理由は、「クレジットカード決済は未成年者では1%程度であり、影響は限定的」だとしたもので、自主的に返金することもなく隠蔽されてきました。これが今の日本のソーシャルゲームを代表する企業のする事かと思うと、本当に薄ら寒いモノを感じてしまうわけです。
というわけで、今日はそんなソーシャルゲーム(と括るべきかどうかは悩ましいですが)をどう捉えるべきなのか、という話題をしてみようかと思う次第です。
そもそも何が問題なのか
これらの問題が表沙汰になったのは、某巨大掲示板でも有名だったハンドルネーム「切込隊長」こと「山本一郎」氏によって情報が公開された事に始まります。詳しくはこちら。
それまでは完全に隠し通す気満々だった様子さえ窺えるグリーですが、年明け早々手のひらを返すことになりました。
それで先に述べたようなプレスリリースを発表するわけですが、現時点での防止策は「ツールの強化」でまとめられ、対応は「個別通知」し返金するというものになっています。ですが、現時点だと「誰も責任を取っていない」ように見受けられるという中々面白い話が見えてくるわけです。そもそも、対外的に行うとされていた「未成年利用金額制限設定」が実際は動いていなかった、というのはかなり重大な事ではないのかなぁ? と思ったりするのです。
また、ファミ通GREEを出しているエンターブレインもファミ通.comにてグリーのお詫び文を掲載しましたが、お詫び文の下に続く形で「ファミ通GREE Vol.9が発売中」といった具合にファミ通GREE Vol.9の内容紹介をするという、実に愉快痛快な気分にならざるを得ないこの記事は、一体誰に対して謝り、誰に対して宣伝したいのかがまるでわかりません。これは、タダでは倒れない商売根性を見せつけたい、という一抹の意地なのか、単に話題をそらしたいだけなのか……。お詫び文の後に堂々と「本誌を買って、年末年始はGREEゲーム三昧を」という文字は、かなり奥が深いなぁと色々思慮せざるを得ないシチュエーションを作り出してくれます。
本件についての問題は2点で、そもそもの企業体質としてどういうわけ? という点と、子供がゲームを遊ぶ際に「信用できるプラットフォームなのかどうか」が問われた点です。
我らゲーマーからすれば、スマホなどでプレイするソーシャルゲームと呼ばれているモノと、3DSやVita、その他据え置き機の違いは明らかなわけですが、そんな違いがわからない世の中のお父さんお母さんはたくさんいます。未成年を抱えるご家庭にとって、ゲーム業界への印象は非常に悪いモノになるわけで、そこらへんの事を考えると余計に据え置き機や携帯ゲーム機が大好きなゲーマー達は、スマホでのゲーム嫌いが加速してしまうわけなのです。
安心安全とはどこに?
いわゆるソーシャルゲームでの課金は、ハマると怖いモノがあると言われています。ですがその「ハマるもハマらないも個人の自由である」というのが厄介なところで、そういうのでも世の中のお金が回っているというのを考えれば、商道徳として有りや否や? という考えに行き着いてしまうのは仕方がない話でしょう。ですが、現時点でスマホなどでソーシャルゲームをするというのは、子供達にとって「安心できるモノではない」という認識が広がっているように思います。
そもそも、子供がどういうゲームで遊んでいるかを親が把握していなかったり、親が子供に無制限でクレジットカードを使わせているのか、勝手に親のクレジットカードを使っているのかはわかりませんが、そのような現状が垣間見えるというのも、中々にうすら怖いモノを感じます。ですが、少なくともソーシャルゲームについては「安心できるモノではない」ので、しっかり親も子供ものちの将来のためにちゃんとした管理をしておく必要がある、という対策をするのが無難でしょう。
ソーシャルブームと言われゲーム業界でソーシャルゲームが台頭してきてから、今もその流れを継続している中でこのような事が起こり、国民生活センターへの苦情が止まないとなると、再び規制される恐れも出てくるでしょう。……いやまぁ、据え置きや携帯ゲーム機のゲーマーにはまるで被害は及ばないモノではありますが、この流れは将来的にFree to Playの商法にも影響を及ぼしかねない可能性は否定できなくなるわけです。もちろん、ゲームの性質にもよると思いますが……。
今後、この件を皮切りにどうなっていくのかは皆目わかりませんが、色々な人達から「信用されるような」プラットフォーム作りをしていく大切さをしっかりと持って頂きたいものですね。
しょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会
:話題のグリーやら何やらの話に乗ってみました。
:こういう件が続けば、そのうちもっとしっかりした規制が来ちゃうだろうな。
:ま、そもそもに2012年度の6月期最終利益が479億6000万円なのだから、どうして2800万程度を渋るのかがわからんよね。高給取りなだけにお金が大好きってのはわかるけど、もっとしっかりやっとけって事で。
:企業としては当然のことだな。……何においても、信用って大切だわ……。
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