連載:気まぐれゲーム雑記 第101回:全米ライフル協会が余りにもぶっ飛び過ぎていた、と言う話題

気まぐれゲーム雑記
第101回「全米ライフル協会が余りにもぶっ飛び過ぎていた、と言う話題」

日本人らしく、銃社会は宜しくないと思うわけです。

嘆かわしい事件なのに、その後は泥沼

先日、アメリカで銃乱射事件が発生し、多くの児童が亡くなられました。
本当に嘆かわしい事件なのにもかかわらず、テレビニュースや新聞は責任の有りどころをゲームであるかのように報道しました。ここらへんの話題は、以前こちらの連載でも触れた事があると思います。
で、全米ライフル協会はゲームが真犯人としながらも、その更に上を行く「文化的な悪の枢軸」として、ゲームや映画などを全般的に批判するという、斜め上の発表をしました。詳しくはこちらこちら
ざっとまとめると以下の様な感じです。

  • 全米ライフル協会曰く、真犯人はビデオゲーム
  • ビデオゲームは、「国民の暴力を販売し、国民に暴力を注ぎ込んでいる無神経で腐敗した影の産業」らしい
  • 『Bulletstorm』『Grand Theft Auto』『Mortal Kombat』『Splatterhouse』は邪悪で暴力的なビデオゲーム
  • 血生臭いスラッシャー映画も、殺人があたかも一つの生き様であるかのように描いたミュージック・ビデオも最も下劣なポルノグラフィー
  • 銃で武装した悪者を止められるのは、銃で武装した善人だけ
  • 解決法は、学校に武装した警備員を増やすことと、精神障害患者の全国データベースを作成すること

もはやツッコミどころ満載ではありますが、今日はわけのわからん協会に2日連続でツッコミを入れてみようと思う次第です。……なんか、辛口な感じのモノが続く気がします……。

暴力性を求めたエンターテイメント?

全米ライフル協会は、真犯人はビデオゲームとしながらも、それらに属するようなメディアすべてを批判しました。ようするに、暴力性があるエンターテイメントの事です。ゲームに始まり、映画、ミュージックビデオ、スプラッターなホラー番組まで、選り取り見取りです。

アメリカは銃社会です。西部劇に代表されるとおり、銃によって国を切り開いてきた経緯もあってか、銃はある種のシンボルでもあります。また、利権やら何やらと日本の政治にも見られるような何かがあるようで、こういった事件が起きた際は、何かしら身代わりを用意しなければなりません。

確かに、ゲームは暴力性を求めたエンターテイメントである側面があります。ですが、すでに多くの方は、ゲームと暴力性の因果関係は今のところないというのはご存じでしょうし、暴力性のあるエンターテイメントと現実の区別ができていないのは全米ライフル協会である、なんて事は大半の人が理解していることでしょう。頭が悪い、の一言で済む話かもしれません。

そもそも問題にすべきは?

今回のような銃乱射事件が起きるたびに、大抵矢面に立つのは何故かゲームです。それは、「簡単に疑似体験できる」メディアだからでしょう。そして、それを知らない人にとっては、「何だかわけのわからない恐ろしいモノ」に見えてしまうと言う事があります。コンタクトレンズが普及する前の状態を想像すれば、何となくわかるかもしれません。

ともなると、やはり「エンターテイメントは現実ではなくエンターテイメントである」という大前提を多くの人に知ってもらう必要があるように思います。また、そもそも「銃乱射が起こらないような社会構築」をどうやっていくか議論すべきでしょう。少なくとも銃に触れたことすらない日本人としましては、銃規制がもっとも近道には思いますが、アメリカ人や海外の方ならまた意見は違うモノになるのかもしれません。……ゲームやら何やらの暴力性どうたらと銃乱射の因果関係どうこうという話に繋げるのは、もはや無理があるとは思いますが。

今後、この話題がどういった着地点を見出すかはわかりません。スウェーデンの時みたいに、一部の小売店が対象ゲームの販売を差し控える可能性もありますし、本当に銃規制が進むかもしれません。どうなるかはわかりませんが、こういった事件が起きたとき、ゲーム業界やエンターテイメントが矢面に立ってしまうような事がないような社会に進んでいってもらいたいものですね。

しょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん:今日は、全米ライフル協会にツッコミを入れてみました。

しゃきーんさん:嘆かわしい事件ではあるが、そもそもこのライフル協会の人達はエンターテイメントを曲解しすぎてるんじゃね?

しょぼーんさん:ま、そんなもんじゃない? この議論は、包丁と殺人の因果関係ってやつににてるけど、決定的に違うのは「銃はなくとも生活はできる人が大半」というのが日本人って存在によって立証されていることかな。……こういうとき、日本人で良かったと心から思います……。

しゃきーんさん:むしろ、あちらの国の方が怖いと思えてしまうよな……。何とも難しい問題だわ。

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