連載:気まぐれゲーム雑記 第92回:2012年に閉鎖した国内外の開発スタジオ映像が哀愁を漂わせる……と言う話題

気まぐれゲーム雑記
第92回「2012年に閉鎖した国内外の開発スタジオ映像が哀愁を漂わせる……と言う話題」

切ないのですよ……。

様々な経営状況

ゲーム制作における開発費は、年々高騰し続けていると言われています。
その理由を一括りにする事はできませんが、技術力が急激に向上し続けている昨今においては、それに歯止めをかける主立ったモノは見つからない、というのも原因の一つでしょう。
当然ながら、技術の向上は素晴らしいものです。ですが、それと開発費を天秤にかけた時、もの凄く難しい問題が発生します。例えば、その技術を用いた結果、開発期間が長引いてしまい、しかも売れないゲームとなってしまったら会社が倒産してしまいます。だからこそ、余計に慎重になりながら少しでも利益が出るような事をやりつつ、ゲーム開発をしていく他ないという結論に至るわけです。

そんなゲーム開発スタジオですが、今年も幾多のスタジオが閉鎖されました。海外メディアのIGNがそれらを紹介する動画を作っていたのでご紹介です。

……なんとも哀愁が漂いますね。
というわけで、本日は閉鎖されていったスタジオの幾つかが、どうして閉鎖になってしまったのかをご紹介していこうと思う次第です。

親元会社の影響で閉鎖

開発スタジオと言っても、独立系のモノはそこまで多いわけではありません。大抵、何かしら実績のあるタイトルを発売し、その後は大手の傘下に入るといった流れになりやすいです。とはいえ、それは親元がダメになった時は連鎖してダメになる諸刃の剣でもあります……。

まず、Zipper Interactive。
ここは日本でも有名なSOCOMやMAGを開発したスタジオとしても知られています。Zipper Interactiveは2006年にソニーの傘下となりましたが、今回はソニー内部での再編によって閉鎖されることになりました。日本でもファンがいたと思えるタイトルを作ったスタジオなだけに、残念な話です……。

次に、国内でも知られている存在だったハドソン。
北海道拓殖銀行の破綻をきっかけに資金繰りがうまくいかず、最終的にコナミの傘下に入る事となります。そしてその後はさほど目立った動きもなく、最終的に今年コナミへと吸収合併されました。経営上仕方がないとはいえど、国内外を含め多くのファンに惜しまれる結果となったのは言うまでもありません。

あと、Rockstar バンクーバースタジオ。
BullyやMax Payne 3を手がけた事でも知られていますが、ココはロックスター社がカナダのオンタリオ州政府の援助を受け、Rockstarトロントを設立し開発陣をトロントに集結させるという前向きな閉鎖とされています。IGNが紹介した動画の中で、唯一前向きな閉鎖とも捉えられるスタジオです。

力尽きて閉鎖

逆に、最後まで独立を貫き通し(誰も助けなかった場合も含め)閉鎖していったスタジオもあります。

例えば、今年閉鎖した中では最も印象に残ったであろう38Studios。
キングダムズオブアマラー:レコニングの開発元でもあり、元大リーグ投手のカート・シリング氏が作った開発スタジオです。各業界の著名な人達を集めて作られたキングダムズオブアマラー:レコニングでしたが、その後ロードアイランド州による誘致問題が発生し、どこからも資金が得られずに閉鎖へと追い込まれました。

また、世界的に有名なRTS「Age of Empires III」などを作ったBig Huge Gamesも、38Studiosと連鎖するように閉鎖へと追い込まれます。というのも、Big Huge Gamesは2008年にTHQの傘下となりますが、THQ本社の経営が危ぶまれる状態となり、Big Huge Gamesは売りに出されます。そして、その開発力を欲した38Studiosが買い取る形となっていました。Big Huge Gamesの末期は、本当に世知辛いモノとなりましたが、38Studiosが閉鎖される際にはEpic社やCCP Gamesから在籍していた開発者に向けて多くの手が差し伸べられました。捨てる神あれば拾う神あり、と言うヤツでしょう。……38Studiosの場合は、どこが捨てる神だったのかは何とも言い様がないところでもありますが。

なんだかんだと、今年も海外では多くのスタジオが閉鎖となりました。
なぜ閉鎖したかという問題は、色んなところに原因があります。いちゲームファンとしては、見守るほかないわけではありますが、極力閉鎖する事がないような……そんな開発環境を業界全体で作っていってもらいたいと、切に願う限りです……。

しょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん:今年も色々とスタジオが閉鎖しちゃって、なんかちょっと寂しくなったよ……というお話です。

しゃきーんさん:ゲーム開発はビジネスとしてみると難しいってのを思い知らされるよな。

しょぼーんさん:開発したあとも、しっかりと売らないと元が取れないからね。それに、開発費自体が高騰し続けているんだから、作るゲームを選んで慎重になるのも仕方がないって思える話ですな。……だからといって、カウントダウンしてまでブラウザゲームを発表するってのがいかがなモノかと思うけど。

しゃきーんさん:……ま、まだ面白いかどうかも決まってないからしょうがないんじゃね? ……期待を裏切ってしまったのは確かだろうけどな。

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