とりあえず黒字になったことを前向きに捉えたい任天堂ですが、2015年3月期第3四半期決算説明会の内容を公開しました。ざっくりまとめると次の様な感じ。

3DSについて

• 累計出荷数は5041万台
• 昨年比でハード販売ペースは低下し、ソフトは一定規模を維持
• 日本市場では、New3DSの発売でハードの勢いを取り戻した
• アメリカ・ヨーロッパでは、ヒットタイトルが出たにも関わらず、New3DSの発売を2015年2月13日に設定してしまったため、年末商戦の需要をシフトさせてしまい、ソフト・ハード共に前年実績を下回ってしまった
• アメリカでは、ソフトのデジタル販売を含めると2％減で前年並みになった
• 日本のゲーム市場の歴史上初めてと言える、6ヶ月間で5タイトルがダブルミリオンを達成
• 「スマブラ3DS」の全世界累計出荷は619万本
• 「ポケモン オメガルビー/アルファサファイア」の全世界累計出荷は935万本
• 「トモダチコレクション 新生活」の全世界累計出荷は396万本
• 「トモダチコレクション 新生活」は、ヨーロッパだと「とびだせ どうぶつの森」とほぼ同水準で売れ続けている（どうぶつの森が128万本に対し、トモコレが122万本）
• アメリカやヨーロッパでも、Newニンテンドー3DS XL（日本でいうNew3DS LL）を発売し順調な結果。今後はその水準をどう維持するかが焦点
• 海外での3DS促進のために、ローカル通信での多人数プレイの普及を一層促進していきたい

Wii Uについて

• アメリカ・ヨーロッパでは前年を上回り、特にアメリカ市場は伸びた
• その一方で、国内は販売が伸びず、理由としては3DSにヒット作が集中したためにWii Uへの優先順位が下がってしまった
• 2015年に発売される未発表タイトルもあるが、GamePadを積極的に活用するタイトルが多く含まれている

プラットフォームのまとめ

• 昨年の年末商戦においては、日本ではWii Uハードの普及に、アメリカやヨーロッパではニンテンドー3DSハードの普及に課題を残した

メタスコアについて

• メタスコア85以上・ユーザースコア8.5以上のタイトルが、Wii U・3DSには19タイトルある
• 「ゼルダの伝説 ムジュラの仮面 3D」「モンスターハンター4G」は共にスコアが高く、順調なスタートになっている

アミーボについて

• 世界で累計570万出荷し、カナダ・アメリカでは全出荷数の63%を占める
• カード形状のamiiboも今年展開する計画
• Wii U向けに、amiiboでファミコンやスーパーファミコンのゲームを楽しむことのできるダウンロードソフトの無料配信を今年前半に計画
• amiiboをタッチすると、ファミコンやスーパーファミコンのバーチャルコンソールのソフトが1本選ばれて、そのソフトの名シーンが遊べる
• プレイ時間制限がある

大体以上となります。

すでに伝えられている通りではありますが、プラットフォームの問題としては日本だとWii U、海外だと3DSそれぞれが普及しないという事態になっています。任天堂も正しくそのことを捉えているようですし、あとはソフトでどれだけ引っ張れるかがみどころでしょうか。

また、アミーボもジワジワと続けていきそうな雰囲気を出しており、カード形状のモノも出てくるということで、発表されればまた話題にはなるでしょう。カードとなると、Suica的なノリで使えるというのは、それはそれで面白いかもしれません。

一方で、メタスコアが売上に影響するというのは、海外ではちらほらと見られる話ですし、日本でもかつてスクエニの元社長である和田氏がそのことで言及をしていたような気がします。メタスコア自体、海外での評価基準みたいなモノですので何とも計りかねるところはありますが、スコアが高いに越した事はありません。

気になるポイントは、やはりメインであるゲームのハード事業に厄介な問題を抱えているという事が挙げられます。来年以降には「次世代」というキーワードがでてくるかもやしれませんが、今年をどのように乗り切るかは課題である事に間違いはありません。今後も、マイペースに邁進し続けていって欲しい限りですね。

［情報元：任天堂公式サイト］