E3では独自イベントを行った「任天堂」ですが、任天堂の今後について様々な内容を紹介した「Nintendo E3 アナリストブリーフィング」の内容が公開されました。詳しくはこちら。
まとめると次の通りです。

• 4月の決算段階では、日本での販売数が大きいため日米欧合計でニンテンドー3DSはトップシェアだが、アメリカ、ヨーロッパでは市場における存在感がなかった
• アメリカでルイージマンション2とポケモン不思議のダンジョンを発売後、自社ソフトの販売が2倍のペースになった
• ヨーロッパでも3DSタイトルがヒットチャートに入り、存在感を示すようになった
• 夏商戦で重要な役割を果たすのが「とびだせ どうぶつの森」で、アメリカでは発売当日にダウンロード版はニンテンドーeショップにおける販売売上げ新記録を樹立し、ハードの販売数は前週の4倍になった
• 「とびだせ どうぶつの森」で3DSの販売を加速した上で、マリオ&ルイージRPG4をはさみ、ポケモンの発売へと加速し、プラットフォームとして最高の状態で年末商戦を迎えることを目指す
• 3月以降連続で有力タイトルを発売して勢いが大きく変化しつつあるが、3DSの開発は順調に進むようになったので来年も任天堂から十分な3DSタイトルを発売できる予定
• サードパーティに対しても、日本だけではなく西洋市場が拡大するよう任天堂が積極的に取り組んでいく
• すれちがい通信の魅力を体験してもらうため、Wi-Fiアクセスポイントをすれちがい通信の中継機能にできるシステムを秋までに実装（海外の話）
• Wii Uは来月以降、状況を大きく改善していくことができると確信している
• 前期はダウンロード版の売上が好調だったことが伸びた要因だが、今期は「New スーパールイージ U」のような新しい形態の追加コンテンツや任天堂初となるFree to Play型のソフトなどを提案していく
• スマートデバイスが普及すれば携帯ゲーム専用機は必要とされないという仮説は、日本では大きく事実と異なっているのでアメリカやヨーロッパでも携帯ゲーム専用機の可能性を証明する

以上となります。

この話のポイントは、すれちがい通信のWi-Fi対応、任天堂初となるFree to Playタイトル、Wii Uの今後の3点に絞られます。

すれちがい通信のWi-Fi対応は、日本でもやってもらいたい対応の一つでしょう。あまりすれ違えない環境の人も多いでしょうし、そういった人達への救済にもなります。また、タイトルによってはよりすれちがい通信機能を盛り込みやすくなるのも間違いありません。日本でも導入されるのかどうかが焦点になります。

また、Free to Playのゲームを任天堂が出す、と明言したのはこれが初めてとなります。Free to Playというのは、基本料無料のゲームの事を指します。フリーミアム、F2P、どれも同義です。今までも十分見かけましたが、今後は任天堂もそういったタイトルを出すということなので、そのことに言及するブログやら何やらがより多くなります。覚えておいて損はないでしょう。
任天堂においては、どのようなタイトルをフリーミアムにするのかが焦点になりそうです。DLCはファイアーエムブレム覚醒が最初だったので、それ相応のタイトルを持ってくる可能性はあります。とはいえ、元々フリーミアムのタイトルは巨額課金出来てしまう事が問題だったので、任天堂の場合はそういったところに配慮する可能性も高いでしょう。

最後に、Wii Uの話は少々少なめでした。とはいえ、タイトルの発売予定はあるものの、実際に出てくるのは来月からとなるので現状は語れる事がない、というところかもしれません。とりあえずは、盛り上がれる下地が出来上がった3DSに終始した印象はあります。

やはり、一番の驚きはフリーミアムでしょうか。時代に沿う形に変化しつつある事も窺えます。今後、任天堂がどういったビジネスビジョンを打ち立ててくるかはまだまだわかりませんが、3DSにWii U、そしてゲーム市場を取り巻く環境に今後も要チェックしておきたいですね。