連載:気まぐれゲーム雑記 第678回:マルチが主体のゲームに限らず、従来のレビューの在り方はとっくに無理がある

気まぐれゲーム雑記
第678回:マルチが主体のゲームに限らず、従来のレビューの在り方はとっくに無理がある

「良い」レビューも「悪い」レビューも価値観です

ライターの意図を読み解く力と許容する柔軟な考え方が大切

AZです。PC出作業をしていると、無意味に手が冷えるような季節が到来しました。

それはそれとしまして、Destinyの開発元で知られているBungieの最高執行責任者Pete Parsons氏が、Destinyのようなマルチプレイを重視しているゲームに対して、従来のレビュー方式は通用しないと語っています。

Parsons氏は、マルチプレーに重きを置いた『Destiny』のようなゲームをレビューする際には、従来のレビュー方式は通用しないとの考えを述べている。

Pete Parsons

懐疑的だった人にもかかわらず、現在もプレーし続けている人たちが大勢いるんだ。『Destiny』のようなゲームが登場して明らかになったように、9時間や11時間ひたすらプレーし続けてから『Destiny』のようなゲームのレビューを書くのは、非常に難しいことなんだよ。

もし私がレビュワーだったら、ほぼ不可能な仕事に思える。全てを体験することなど無理だからね。キャンペーンと対戦をちょっとプレーするだけで、エンドゲームなどには全く手が付けられない。将来的に『Destiny』のようなゲームをどのようにレビューすべきなのか、という大きな疑問を投げ掛けているんだ。

[引用元:Choke Pointさん]

まぁ、至極当然ですね。

マルチプレイを重視しているゲームなのに、サーバー運営スタート前にその面白さを実感するというのは無理があるでしょう。数人で疑似的に行うのは可能かもしれませんが、メディアがそれに対して「どの程度」遊ぶ事ができるのかはたかが知れてしまいます。

そもそもに、マルチプレイを重視していないゲームにしても、今のメディアがやっているような点数を付けるレビューには限界があります。点数を付けると言う事は何か基準があるわけで、それとの比較にしか過ぎないモノになるからです。もちろん、比較することは悪い事じゃありません。誰の目にもわかりやすく映る、という最大の利点があります。まぁ、当ブログも付けたり付けなかったりとどうすべきか悩んでいたりもしますが、商業メディアの場合それは「誰が誰に対して付けた点数なのか」が問われるところにもなるわけです。結局のところ、誰が何をどうフォローしようが「ビジネス」である事に変わりはありませんから。

日本では、ファミ通や他メディアはレビューに対して点数を付けていますが、大作や名が知れている作品は総じて点数が高くなり、そうじゃないタイトルはそれよりも低めになる傾向があります。といったところで、ファミ通は過去に「ジョジョASB」を満点とした事があるわけでして、パッチで改善はされたモノの発売当初は散々な物言いが付いたのは言うまでもありません。あのレビューは、せめて「何時間プレイしたのか」を明記すべきでした。それだったら、まだ「初めて何時間くらいまでは満点の評価!」と言い張れた……のではなかろうかと。まぁ、それがどれくらい効果があるのかはわかりませんけど。

結局のところ、ゲームレビューとはゲーム体験を個人の価値観で書き上げた文章だという事です。その書いた個人の趣向などを正しく把握できれば、面白かろうとつまらなかろうと良い内容にはなりそうな気にさせてくれます。一方で、商業メディアの場合、メーカーの意向やら何やら色んなしがらみがあります。ともなると、書き手の意図はかなり読み取りづらいモノになるのは言うまでもありません。はてさて、先日から「信用されるメーカー」という話題をちらほらとしましたが、それと同じくらい「信用できるメディア」とは何なのか。「誰」に対して商売をしようとしているのかを、今一度考えて見て欲しいと願わずにはおれませんね。

しょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん:マルチ向けゲームのレビューは従来のやり方じゃ無理じゃない? ってのがあったので、そもそも現時点で従来通りのレビューは通用してないんじゃない? ってなお話です。

しゃきーんさん:レビューの話はややこしいな。

しょぼーんさん:そもそも、「レビューとはこうじゃなければならない!」みたいな事はないからね。結局、面白かったかどうかなんて個人の価値観なのだから。どんなに売れててもつまらんと思う人はいるわけだし、その逆も然り。でも、メディアがどの程度「信用」できるのかは言うまでもないのかなと。……色んなところを巡り廻る信用ってのは大切だね! というお話でした。

しゃきーんさん:しがらみがない人のレビューは、つまらないならつまらない、面白いなら面白いとわかる誠実なレビューをすれば、そのうち信用されていくのかもしれんな。

連載:気まぐれゲーム雑記 第678回:マルチが主体のゲームに限らず、従来のレビューの在り方はとっくに無理があるに関するしょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん

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