連載:気まぐれゲーム雑記 第452回:次世代のMMOとして注目されるEverQuest Nextに期待する一番の理由
気まぐれゲーム雑記
第452回:EQ Nextに期待する3つの理由
ほんと、いつからそうなっちゃったんだろう……。
そもそもに、コンテンツ主導である事が好きじゃなかったのだ
AZです。今一番欲しいものは、無限にわき出るお金か時間です。
ところで、PS4の発売と同時にFF14のベータテストが開始されようとしているわけですが、KulturさんがSOEのプレジデントであるJohn Smedley氏のEverQuest Next(以下、EQ Next)が何故サンドボックス型なのかという話題を訳していて、非常に面白い話なのでご紹介したく思います。
これまでのほとんどのMMOゲームは、私が「コンテンツ主導型(content driven)」と呼ぶようなものでした。コンテンツ主導型が具体的に意味することは、プレイヤーに一人あるいはグループでできる明確な物を我々が作って与えるということです。これはダンジョン、拡張パック、クエスト...または、モンスターが闊歩する広いエリアのようなシンプルな物まで様々な形で導入することが可能です。長年に渡って技術革新が行われてきました.. 例えば、Battleground(戦場)やパブリッククエストのようなものです。しかし、この考え方の拡大によって(プレイヤーがやりたいことではなく)MMO開発会社がプレイヤーにさせたいものを作るというのがデファクトスタンダードになってしまいました。
[引用元:Kulturさん]
ようするにこれは、お使いクエストなどが主流となるコンテンツを消化するタイプのMMOを指していて、それが多くのMMO開発会社にとってプレイヤーにさせたいコンテンツを用意する事がデファクトスタンダード(事実上の標準)となってしまった、という事を話しています。
MMOの歴史云々を巡れば、かつてはUOのような本当に自由に満ちあふれたMMOがあったのは事実です。いやまぁ、今のUOではその形骸を残すのみともなっておりますが。それはさておき、多くのMMOは大体開発側に「プレイヤーの行動を想定」され、そしてプレイヤーは「開発の想定した行動を行う」のがメインとなっています。当然ながらそれらが良い悪いの話ではなく、ここらへんの事はMMOに限らずどのゲームも似た様なものですし、実際ゲームとして面白ければ何ら問題はありません。
しかして、今のMMOだと終わりなく延々と続いていくゲーム内容なのにコンテンツが不足するという自体がたまに見受けられ、そこが問題であると指摘しています。
コンテンツ主導型のモデルは我々の業界が目指すべき場所ではありません。 なぜか? それが持続不可能だからです。
~中略~
本当に問題は単純なものです。我々プレイヤーのコンテンツ消費能力が、コンテンツがリリースされた後すぐにクリアできてしまうまでになったということです。また、たくさんの攻略サイトにアップされた完全なネタバレやアイテムのドロップレートを皆が見るというのも致命的です。
[引用元:Kulturさん]
昨今のMMOでは、プレイヤーのコンテンツ消化速度が異様に速くなっているという事が話題になったりします。引用の通り、攻略サイトなどの要因もありますし、そもそもにインターネットでの情報共有が一番に挙げられるのは言うまでもないでしょう。
このような消化速度と開発側のコンテンツ作成速度のやりとりはイタチごっこにも思え、何だかPCのウィルスとその対策ソフトの関係に似ている気がしないこともありません。これが、既存のMMOのコンテンツ追加が自転車操業っぽく見えてしまうところですかね。もちろん、そこらへんは人のとらえ方で違ってくるものではありますが、ある程度自由にやりくり出来るMMOをしてしまうとただ「与えられる」だけというのは狭苦しく感じてしまうのも事実です。
その解決法については、
解決策はもっとプレイヤーがコンテンツを作れるようにし、それ自体もコンテンツになるようなものに集中するということです。
[引用元:Kulturさん]
と語っていて、プレイヤー側にコンテンツを作らせるような環境を用意してしまえば良いと考えた結果がサンドボックス型になったという事が書かれています。それこそが私の求めていた答えですし、EQ Nextに期待している一番の理由とも言えるのです。
私としては、与えられたモノをただただこなすお使い的なクエストではなく、そこに自分なりの行動やら何やらが反映されて欲しいと願ってしまいます。せっかくMMOという仮想世界に入ったというのに、「あれをやれ」「これをやれ」と言われたままに動くのは余り好きじゃありません。まぁ、要するに開発側に対して天の邪鬼なわけです。仮想世界ならば、その世界で自分なりの遊び方を見出したい、と考えちゃうタイプなんですよね。
そういった意味で、自分がコンテンツを作る事ができるというのは、非常に大きな要素です。これは、サンドボックス型であれば良いとかそういう事ではありません。自分が考えたイベントを実行できる環境であっても良いですし、プレイヤーがゲームシステムに関われる要因こそが大切だと思うのです。数多のMMOで「プレイヤーと開発が一緒になって作る」なんて言葉を見かけましたが、どちらかと言えば既存のMMOの場合「開発が作ったモノをプレイヤーがチェックする」という方が正しい気がしてなりません。
SOEのプレジデントがここまで言うのだから、EQ Nextは既存のMMOよりはプレイヤー自身がコンテンツを作り出せるように作られている事が窺えます。次世代のMMOとして注目されている事ですし、制限されるばかりのMMOではなく本当に自由にやらせてくれるMMOが登場する事になるのかどうか。今後の情報もしっかりと見守っていきたい所存で御座います。
しょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会
:EQ Nextが、思った以上にわたくしが望んでいるMMOに近いかも? と思えたのでご紹介しておきました。
:提供されるコンテンツを消費し続ける遊び方が面白いかどうかは人次第だがな。
:もちろん、開発の思惑通りの遊び方で十分って人はそれで構わないんじゃないかな。ただ、わたくしは自分の行動や考え、意見が反映されやすいゲームが好きというだけの話だし。……だからこそ、EQ Nextには大いに期待したいんだよねぇ。
:そのうち日本でも出るだろうしな。しっかりと話題になって欲しいもんだわ。
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