連載:気まぐれゲーム雑記 第434回:いい加減、メディアの「業績が悪くなったらスマホ市場」論は飽きた

気まぐれゲーム雑記
第434回:いい加減、メディアの「業績が悪くなったらスマホ」論は飽きた

知りたいのは可能性です。結果じゃないんです。

結果ありきでしか見られない視野は持ちたくない

AZです。昨年の衝撃的BADニュースは「三菱 モニター事業から撤退」でしたが、今年は「NEC ビッグローブを売却」になりそうです。

さて、週明けから各メディアの任天堂に対する風当たりが随分と強さを増しているようですが、とにかくスマホプッシュで知られているゲームジャーナリスト“新清士”氏の新作記事が出て来たのでご紹介です。

最初に、Wii Uが自社の有力タイトル不足で不振だった事を挙げ、その後の展開が、

任天堂の強みはハードではなくソフト

筆者は、任天堂は自社ハードへの固執をやめる必要があると考える。具体的に言うと、まずスマホにおいて任天堂専門のゲーム流通網を展開することを提案したい。その際、優先するのは米アップルのiPhoneではなく、スマホの主流を占めるアンドロイド端末の方だ。

[引用元:日経新聞さん]

といったように、スマホで事業展開しろというお馴染みの論調です。もうこの際ハッキリ言ってしまいますが、この論調は飽きてますし、この人ほんとにゲーム好きなのか? とさえ思えてなりません。

私自身、任天堂はスマホで事業展開するな! などと言うつもりもありません。ただ一つ、ゲームはソフトがハードに最適化されているべきである、と考えている人間です。ですので、去年の暮れに話題となったスマホ版ドラクエ1はお話にならないと切ったわけです。ちなみに私がWii Uの不振をそこらへんから考えると、「タブレット的コントローラでゲームがしたいか?」という任天堂からの提案に今のところ多くのゲーム大好きッ子達が魅力を感じないと思っただけの話とも考えております。だから、魅力が伝わっていないとかそういう話になったりするのだとも思うのです。

もし任天堂がスマホに最適化したゲームを開発し、そのゲーム体験はスマホじゃないと不可能だ! といえるくらいの自信作があるならスマホで展開すべきでしょう。ですが少なくとも、マリオやらポケモンやら、任天堂の既存タイトルをスマホでやりたいなんて微塵も思いません。……思わないのですが、

スマホは今やゲーム端末としても存在感を急速に増し、単機能の家庭用ゲーム機は劣勢になってしまった。

~中略~

任天堂のゲームは品質もブランド力も高い。マリオやポケモンといった魅力的なコンテンツをスマホで楽しみたいと待ち望んでいるユーザーも多いはずだ。だからこそ、この危機に際して自らの事業展開を抜本的に見直し、巻き返しに転じてほしいのだ。その一つが確実に増えるスマホゲームユーザーを取り込むことだ。

[引用元:日経新聞さん]

と、“新清士”氏は語っており、そういったゲームに対する意識からしてすでにもう違うモノであるというのを再確認させて頂きました。なんというか、こう……。ゴーイングマイウェイでございますね。

一方スマホ市場は、すでに次のステージへ進んでいます。元任天堂社員で地獄の軍団などを手がけたエンタースフィア代表取締役の“岡本 基”氏は、本件の事についてかはわかりませんが

と語っています。スマホ市場への安易な移行という発想は中学生レベルであるとして、バッサリ切っているあたり素晴らしいですね。この意見には共感を覚えるモノがあります。そもそもに、本来なら任天堂にスマホへのノウハウがあるのかという話から始まらないといけないわけですが、そういった事もなしに「品質」と「ブランド」だけで進出すべきと結論付けるのはまるで賛同できません。

かたや、ウォールストリートジャーナルでは

一方、任天堂が研究・開発(R&D)予算を増やしており、岩田社長がゲームプレーヤーを驚かすと約束したことは注目に値する。不明な点は多いが、同社はゲーム機のゲームが終わったとは言っていないのだ。

[引用元:ウォールストリートジャーナルさん]

とも語っており、赤字を出す一方で研究開発予算を増やしてるところにスポットを当て、新しい事業構造とやらで何か驚きがあるかもしれないとも語っています。少なくとも、こちらの方がジャーナリストらしいと言えばらしいでしょう。メディアは、このような多種多様な考えや選択肢を出して欲しいと願わずにはいられません。目の付け所がシャープでいて欲しいのです。

実際のところ、1月30日に任天堂の岩田社長がどういう方針を打ち出すのかはまだわかりません。本当にスマホ進出するかもしれないし、新しいデバイスの構想を発表するのかもしれないし、Wii Uに対する何かを出してくる可能性もあります。どうなるのかはフタを開けてみるまでわかりませんが、各ハードに最適化されたゲームの面白さも語らずに何でもかんでもスマホに結論付けるメディアの論調というのは、心底見飽きてしまいました。業界の事をよくご存じならば、腐るほど多くのゲームをプレイしてからゲーム好き達が納得するような持論で諭して欲しいモノですね。

しょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん:新清士氏の新作自説が登場だよーってなお話です。

しゃきーんさん:なんというか、相変わらずスマホプッシュがすげーなぁ。

しょぼーんさん:ま、ツマラナイ話だとも思ったけどね。仮に任天堂が本当にスマホ進出します! ってなっても構わんとは思うんだけど、新清士氏の論調にはまるで同意するモノがないと痛感させてくれました。……これなら「任天堂がスマホに出さないといけない○○の理由」とかいう論調の方が面白くなるんじゃね?

しゃきーんさん:どちらにせよ、氏の論調じゃ納得し難いモノだがな。

連載:気まぐれゲーム雑記 第434回:いい加減、メディアの「業績が悪くなったらスマホ市場」論は飽きたに関するしょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん

しゃきーんさん

しょぼーんさん

しゃきーんさん

コメント (2)

名無しのゲーマーさん

「Android端末に流通網を広げる必要が~」と引用にありますが、iOSと違って端末の種類が星の数ほどあるAndroidで、ゲームを最適化していくのはかなりの苦行なんじゃないのかな…と。
スマホ市場にも手を広げれば業績が回復するだろう、という論調もそもそもスマホのゲーム市場って儲かってるものなのか? と疑問が湧いてきます。
なにはともあれ、今月末の任天堂の発表待ちでしょうか。
Steamでマリオやゼルダが配信されるようになったら、諸手を上げて喜ぶんですけどネ!! …夢のまた夢ですけど。

AZ@管理人

スマホの市場規模は大きくなっているわけですが、どこまで利益が出せているのかは、各メーカーによって違いが出ていそうな予感です。
そういう部分で語って欲しいとは思うところですが…。
任天堂は、良くも悪くも自社ハードに最適化したゲームを出すのが一番の特徴ですからね。流石にSteamはないでしょう。
ともあれ、1月30日の発表は楽しみにしたいですね!(`・ω・´)

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