連載:「セインツロウ4」のレビュー 映画やゲームのパロディ満載で、バーチャルな世界を逆手に取った爽快オープンワールド。そして、最後は謎の感動が……?
気まぐれゲーム雑記
「セインツロウ4」のレビュー 映画やゲームのパロディ満載で、バーチャルな世界を逆手に取った爽快オープンワールド。そして、最後は謎の感動が……?
3から辿った馬鹿ゲー路線は、そんなに間違いでもなかったようです。
ぶっ飛んだセインツ達に栄光あれ?
AZです。好きなB級映画を一つ挙げろと言われたら、「ナチョ・リブレだ」と答えるB級映画好きです。
さて、約束通りPC版セインツロウ4を無事クリアできたので、そのレビューをしてみようと思います。なお、このレビューはいつにも増して「ネタバレ満載」ですので、プレイしようと思っている人は是非注意して下さい。下手をすると、笑いどころや驚きどころを失いかねません。そういうタイプのゲームです。ネタバレなしの総評はページ下部に用意してありますので、こちらから辿って見て下さい。
では、レビューを開始します。
最終決戦後
まず始めに、前回書いたファーストインプレッションの訂正から。ファーストインプレッションでは前作をプレイしないでも楽しめるとは書きましたが、セインツロウ4はメインのストーリーが仲間の救出になります。ですので、仲間キャラの事を知らないと、ちょっと置いてけぼり感が出る可能性も否定できません。一応ちょこっと説明はありますし、前作をプレイしていなくても理解できる作りになっていますが、前作を知っているとより楽しめるのは間違いないでしょう。
また、過去作のネタが結構ちりばめられています。過去作ですでに死んでいるキャラなどが登場したりするのは、前作を知らないと全力で楽しめないかもしれません。ですが、私としては知らなくともさほど問題はないレベルだとも思えました。
昔登場したあの人やこの人
本作は、序盤からエアロスミスの「I Don't Want To Miss A Thing」(映画:アルマゲドンの曲として有名)をバックミュージックに、ミサイルに飛びついて破壊するという某映画も真っ青なインパクトをプレゼントしてくれます。アルマゲドンではストーリーにあまり感動できずエアロスミスのこの曲で感動した私としては、ゲラゲラ笑いながらプレイさせてもらいました。馬鹿ゲーである事を最初から猛烈アピールしてきます。
エアロスミスでミサイル
ストーリーをファーストインプレッションでも書きましたがもうちょっと踏み込んでおくと、セインツのボスである主人公はアメリカ合衆国大統領になっています。そこへエイリアンが攻めてきて仲間達も含めて捕まってしまい、シミュレーションの世界に閉じ込められる事になります。その後、逃げ延びた仲間の助けを借りて無事脱出するのですが、その報復として地球があっさりと破壊。怒りの主人公は、捕まったままの仲間を救出しながらシミュレーションの世界から入り込んでエイリアン達に復讐しよう、という話になります。……いやまぁ、B級映画そのものといっても過言ではないですね。
宇宙船からシミュレーション世界に入るため、服装が反映されるのはシミュレーション内だけ
シミュレーションの世界ということで、メインストーリーを進めていくとチート染みたスーパーパワーを身につけていくことができます。このパワーはプレイヤーのために考えられたかのような能力ばかりで、この能力が本当に爽快感があってどれも愉快痛快。これが今作一番のウリというのも頷ける代物となっています。
スーパーパワーで何でも粉砕
ゲーム内では、さまざまなパロディ要素があります。某メタルギアにならってダンボールでスニーキングミッションだけど結局敵をめった刺しにしたりとか、2D世界で大暴れするとか。そういったモノを気にしながらプレイするのも一興かもしれません。
スネークが完璧にソリッドだそうです
ダンボールでスニーキング
本当にこの横スクロールのアクションを幾つかクリアする事になります
他の気になったポイントは、ちまちまとQTEが入ってきます。さほど難しいモノではありませんが、連打系は何気にシンドイ時もありました……。ですが、それ以外はさほど難しいモノでもありません。あとは、ボッチだと協力プレイができないので、苦汁を飲む可能性もあります。
QTEが急に出てくるので注意
最後に、冒頭で笑わせてくれたエアロスミスの「I Don't Want To Miss A Thing」が何故かスタッフスクロールでも本当にラストで再び流れてきて、まさかの2回目の登場に笑うべきなのか、ラスボスを無事倒せた余韻に浸って感動すべきなのかわからない、謎の感動を呼び起こしてくれます。面白くプレイできた人にとっては、案外歌詞の内容がマッチしてそうな気がしないこともありません。しかして、まさか2回目がエンディングで流れるとは思いもよりませんでしたし、あの一曲の印象がどれだけ偉大なモノなのかを思い知らされました。音楽は本当に偉大です。
ゲーム冒頭にでてくるイメージ、エンディングとリンクしている
この作品は、リアル志向にひた走る海外ゲームへのアンチテーゼとも取れるモノであり、それと同時にプレイヤーに箱庭を与えて好きにやらせてやろうという思惑が上手くいった代物に思えました。パワーの根元となっているのは、プレイヤーが望むであろうチート要素だと例えられます。そこを上手く逆手に取ってバーチャル世界で許容した舞台作りは、評価されて然るべきでしょう。パロディで最高にふざけながらも、仲間のためにひたすら闘う主人公ほか一同のストーリーは、バーチャルな世界だからこそ楽しめるのだというのを強くアピールしています。
バグではありません、バーチャルな世界です
私にとっては、久々に下らなくて馬鹿馬鹿しいけど、チートをしていないのにチートをしてるかのようなゲームプレイ体験を大いにさせてくれた良き一作に感じられました。ストーリー面はベタベタのB級映画ですしキャラクター達もふざけた連中ばかりですが、どこか一本筋が通っていて嫌いじゃありません。逆を言えば、B級っぽい下らないストーリーが嫌いな人にとっては、ストーリー面はモヤッとするモノを覚える可能性は否定できないモノです。それでも興味を持った方は、是非プレイしてみて欲しいですね!
……あ、表現規制なしのモザイクが良いという人はPC版をお奨めしておきます。日本語化すれば、ところどころ漢字が欠けてたり英語のままだったりしますが、プレイに支障はないと思いますよ。
以上、「セインツロウ4」のレビューでした!
総評
評価項目 | スコア | |
---|---|---|
ハチャメチャな爽快感 | 10/10 | |
ストーリーのB級っぽさ | 9/10 | |
操作性 | 7/10 |
良いところ
- パワーはいわずもがな最高に良い
- オープンワールドにありがちな不満をパワーで払拭したプレイヤー目線のゲーム
- B級映画好きで、オープンワールドとクライムアクションがご馳走という人は是非オススメ
悪いところ
- メイン以外はやることが似ていて、長時間やり続けるとダレるかもしれない
- シリーズを知らないとキャラクターの位置付けがわからない可能性がある
注意点
- QTEで連打があるのは注意
- 一部のDLCがやたらと強い
- パワーが多く使えるようになると、操作に慣れが必要になってくる
しょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会
:というわけで、「セインツロウ4」のレビューをしてみました。
:おお、結構高評価か?
:そだねぇ。このゲームはノリを楽しめるかどうかの一点に絞られると思うよ。すんげぇ下らないストーリーなんだけど、セインツだから……で許容出来ちゃう感じ。それに爽快感も凄いしね。たぶん、過去の真面目なセインツが好きな人はいやがる路線だろうけど、3からの正統な流れと思えば十分楽しめました。……日本でどれだけ話題になるかねぇ?
:今週発売されるけど、色んな意味で楽しみではあるな……。
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