気まぐれゲーム雑記
第332回：PS4のアジア発売が12月になったので、少々落ち着いて眺めてみる

ビジネスとして見れば納得、でも心情としてはどうでしょう？

遅れる事は良いことかどうか

いよいよTGSが始まろうとしていますが、今年はどれだけ盛りあがるのかを今からワクワク待ち続けているAZです。……ええ、どうせ仕事で行けません。

それはさておき、PS4のアジア発売が12月という発表が出ました。

ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジアは9月18日、SCEJA本社会議室にて東京ゲームショウで来日したアジアメディアを対象にしたプレスカンファレンス「SCEJA Press Conference Asia Session」を開催し、次世代ゲームコンソール「プレイステーション 4」を日本市場より2カ月早い2013年12月に投入することを明らかにした。対象地域は韓国、台湾、香港、シンガポール、マレーシアで、具体的な発売日と価格は、各地域で11月に行なわれるプレスイベントで発表するとしている。新型PS Vitaは11月、PS Vita TVは1月の発売をそれぞれ予定している。

［引用元：Game Watchさん］

この話題に、胸中モヤッとしたものを覚える人はそれ相応にいる事でしょう。実際、未だPS4の発売が2月22日になった事への不満がプレコミュに多く綴られていて、今回の件も元気が良い怒号らしきコメントが飛び交っています。とはいっても、ビジネス面から見れば納得できる部分も多いのは事実でしょう。

ビジネス視点とユーザー視点の違いはわかりやすい

Game Watchでは、アジア圏が12月に発売されることを

理由は単純で、市場規模に従って発売を遅らせると、日本や欧米から並行品が大量に入ってきてしまうため、発売時期が遅れると正規品がビジネスにならなくなってしまうためだ。

［引用元：Game Watchさん］

と記しています。また、現SCEJAデピュティプレジデント（アジア統括）の織田博之氏も

織田氏に、発売時期の選択について直接その狙いについて尋ねたところ、「並行品対策もあるが、それだけではなく、全社的なグローバル戦略の一環」としていた。

［引用元：Game Watchさん］

という事で、SCEJAとしてグローバルに対応をした結果、こうなったという様が見て取れます。

実際、日本でPS4がどれくらい売れるのか未知数なだけに、ある程度数が限定されるアジア圏を優先させるというのはビジネス上大いにあり得た話です。また、日本の場合は日本向けタイトルが必要になるわけで、今回の発表でロンチタイトルとして発表された15本のタイトル中、日本向けは「真・三國無双7 with 猛将伝」の一つだけであとは海外向けのタイトルです。無双7はさておいて、ベースが海外向けタイトル群なら集めやすいというのもあるでしょう。

とはいえど、いちユーザーとして胸中複雑な気分にもなってしまうのも理解出来ないわけではありません。SCEJAが思い描くビジネス模様と、その結果ユーザーがどう捉えるかは別物です。証券会社のメリルリンチが言うとおり

メリルリンチ日本証券では競合するマーケットの海外では年内発売予定で、ほぼ独占的に市場を掌握できる国内の発売時期は後回しになるもようだと指摘。発売日のタイトル数は19と、過去の世代の５－６タイトルに比べるとスタートダッシュを支えるのに十分だと評価した。

［引用元：Bloombergさん］

という考えもあるわけです。

しかし、何を言ったところで発売日が動く事もないでしょうし、日本向けのPS4タイトルが今後出てくるのかどうか次第という事も言えます。PS3でも出るようなマルチタイトルでは心許ないわけで、PS4じゃないと遊べないタイトルが必要になるのは間違いありません。私のような珍しい物好きや一部のゲーム好きな方々なら発売日に買う事も検討しているでしょうが、それ以外の人達となると強烈な印象を与えるタイトルは必要不可欠です。

色々と条件がある中でSCEJAが選んだ道は日本を2月22日にし、アジア圏や欧米は年内という選択でした。その結果が吉と出るか否かは、発売されれば分かる事でしょう。Vitaのように苦戦しながらもジワッと広げていくのか、それとも一気に加速出来るのか。今後、日本でのPS4事情はじっくりと注目しておきたいですね。