気まぐれゲーム雑記
第312回：MMORPGがメジャーになるのか、タイトルがメジャーなのか

MMO自体が、難しい立ち位置なのですよ。

ドラクエ10に見るMMO

昨日ちょろっと書きましたけど、中国とロシアからスパムという名の波状攻撃が未だに止みません。これがバルチック艦隊の実力か！　とでもいっておけばよろしいでしょうか。まぁ、メインの国は中国で、バルチック艦隊の攻撃はさほど影響がないわけですが。

さて、CEDECで気になる話題を取り上げていこうという事を心がけていくつか読んでみましたが、本日はドラクエ10に目を付けてみました。

CEDEC2013初日のセッション“「日本人のためのMMORPGの開発」 ～「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン」の挑戦～”ではWii/Wii U用オンラインRPG「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン」のディレクターを務めるスクウェア・エニックスの藤澤仁氏が講演を行なった。

［引用元：Game Watchさん］

掻い摘んで話すと、要するにドラクエ10をMMORPGとしてメジャーにしたいという方針で開発を行い、どうやって軌道に乗せようと開発していったかという話題です。
以前「MMOというジャンルは日本でメジャーになるのか？」という記事を書きまして、MMORPG自体がメジャーになるかどうかは難しいという考えは変化していません。結論としては、ドラクエがMMOをメジャー化するのではなくドラクエ10がMMOだっただけであるというものです。これは海外市場でも同じで、結局なところWoWとEQの2タイトルがメジャーとして残っただけの事で、UOやら何やら幾多もあったタイトルは沈んでいきました。もちろん、Guild WarsやArcheAgeなどもありますが、「日本で」という前提を踏まえると中々どうして難しそうです。

もちろん、ドラクエ10が面白いという人を否定するつもりもなく、MMOは楽しめる人が大いに楽しめば良いジャンルです。ドラクエ10で初めてMMOをする人も多いでしょう。FF11の頃から見ると、随分と各家庭のネットへの接続率も増えた事ですし、光回線も普及しました。MMOはPCゲームが主な市場でしたが、それがコンシューマに移行してきたからこそ、メジャーにしたいという思いがあるのかもしれません。

ドラクエ10は、日本人向けのMMOとして次の様なコンセプトにしたそうです。

・「難しそう、面倒くさそう」と感じる人に対して ……「いつもの『DQ』と同じです」と言えるゲームにすること

・「人といっしょに遊びたくない」と思っている人に対して ……ひとりでも遊べるゲームにすること

・「ゲームをやめられなくなる恐怖感」を抱いている人に対して ……依存化しないゲームデザインにすること

藤澤氏は、「この3つの攻略が、すなわち“日本人向けMMORPG”を作るために必要なものであり、この言葉をそのまま『DQX』の開発コンセプトとしています」と語った。

［引用元：ファミ通.comさん］

これはドラクエというタイトルだからやれそうなコンセプトであって、従来のMMORPGのメインユーザーとなる人達を捉えるには少々難しいようにも見えます。そういった理由から、今後MMORPGというジャンルが賑わうかと問われたら今のところは難しそうだという結論に変化がないという事になるわけです。ただし、ソーシャル系のMMORPGなら可能性はあるようにも思えますが、MMORPGというジャンルを作ろうというメーカーは数が限られるのは確かでしょう。流行る可能性としては、PC版のドラクエ10がどれだけ賑わうかというのが一つの指標になるかとは思えますので、どれほどPC版のプレイヤーがいるのかは興味深く見守りたいところです。

MMORPGは、色んな意味で話題になりやすいです。それこそ十人十色の感想があり多くの人がプレイしているため、面白い出来事から不平不満まで選り取り緑集まるでしょう。そんな中、ドラクエ10やFF14がMMORPGというジャンルを日本でメジャーにしていけるのかどうかは、PCで幾多のMMORPGを渡り歩いた身としては生暖かく見守りたいです。海外でもあったように、どのメーカーもMMORPGに突撃していく様が見受けられるようになれば、確かにMMORPGもメジャーになったと言えるようになる……のかもしれませんね。

なお、最後に本日よりサービス開始されるFF14の成功を、昔ながらの自由度が高いMMORPGが好きだった身として心より応援申し上げておく所存で御座います。