連載:気まぐれゲーム雑記 第266回:日本のメーカーはリスクを取ろうとしないらしい、と言う話題
気まぐれゲーム雑記
第266回:日本のメーカーはリスクを取ろうとしないらしい、と言う話題
考えの違いでもあるのですが、どちらが良いとも言えないわけで……。
開発のリスク
昨今におけるゲーム業界は、開発費の高騰が叫ばれています。
PS4は開発のしやすさをアピールしPS3と同じ程度の開発費で済むといった話題も出ましたが、それでも高いと言う話は良く出て来ますし、またスマホやソーシャルといったアプリ関連でも開発費が高騰しているというのが伝えられています。どの企業にとっても頭が痛い問題の一つには違いないでしょう。
そんな開発費ですが、サイコブレイクを手がけている三上真司氏が「欧米の会社が日本の会社を凌駕している理由」を語っている記事が掲載されました。詳しくはこちら。
まとめると以下の通り。
- ゲームは巨大なプロジェクトになり、開発にも宣伝にも多大なリソースが求められ、リスクが高くなった
- 日本の会社は欧米のデベロッパーのようなリスクをとらない
- かつてカプコンの社長(当時の社長は辻本憲三氏)は、多くの日本のパブリッシャーは3000万ドル以上を投資したりしないと言った
- 三上氏曰く、3000万ドル投資できるなら自分達にも勝ち目はある
- 日本にも優れた会社は数多く存在しているので、会社の組織的構造に関しては海外のテクノロジーを柔軟に取り入れていくべき
- 何度も似たようなゲームを手がけた事でサバイバルホラーへのモチベーションが薄れてしまったが、バイオハザードに代表される近年のサバイバルホラーの方向性に違和感を感じた事が、サバイバルホラーを作るモチベーションになった
- Xbox Oneのキネクトは、顔の表情や心拍数を読み取るため、サバイバルホラーに活用する事ができるかもしれない
- 近年ゲームの暴力描写に対する風当たりは強いが、ゲームは道徳の時間ではなくエンターテイメントなので余り気にしていない
- バイオハザードとサイコブレイクの違いは、ウィルスなど科学がベースになっているか、人間の心の中の邪悪さといった心理的なものかの違い
ざっとこんなところでしょうか。
バイオを作り出した本人が、今のサバイバルホラーを見てまたサバイバルホラーを作りたくなったというのは何ともアレな話でもありますが、それはさておき本日は開発のリスクを取る難しさなどをアレコレ書いてみようかと思う次第です。
どちらも正しいから困る
開発費の問題は非常に難しく、安全を取るかリスクを取るかで大きく違います。海外のゲーム事情は据え置き機がメインであるため、リスクを取るケースが多いです。当然ながら失敗したらTHQが如く大変な事になりますが、成功すれば得るモノは大きいでしょう。ようは、ハイリスクハイリターンです。
日本の場合は、雇用状況や企業の状態を考慮してリスクを避ける傾向が強いです。特に、現カプコン会長である辻本憲三氏が「日本のパブリッシャー(販売元)は3000万ドル以上を投資しない」という事がすべてを物語っているでしょう。それだけの巨額を簡単に出せるわけもなく、手堅い売行きを見せる携帯機の方へ進んでしまうのは仕方がない事でもあります。リスクを取る、というのは難しい事だと痛感もするわけです。
この問題は、どちらが正解という事はありません。どちらの言う事も正しいわけですし、どちらの言い分も合っています。ですが、リスクを取った方がより技術を得られるのは間違いありません。据え置き機がメインとなった海外では、自然とそういった技術を得ていく流れがあったようには思えます。とはいえ、海外スタジオもリスクを取ったが故に潰れていくケースは多いわけですが……。
今後、次世代機が投入されますが、現時点ではパブリッシャーがどういった選択をしていくのかまだまだわかりません。Vitaのように緩やかに伸びていくのかもしれませんし、Wiiの如くいきなり爆発的に普及する可能性もあるわけです。それらの答えが出るのはしばらく先になりますが、日本でもまた据え置き機のゲームが増えることになるのかどうか、生暖かく見守りたいですね。
しょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会
:三上真司氏が、リスクを取っていかないと伸びていかないよーって感じの話題をしているというので、思うところを書いてみました。
:まぁ、前にも何となく似たような話を書いた気もするがな。
:結局どっちが正しいとも言えないんだよね。何か会社的にアレがあって、インデックスさんみたいに会社が危うくなっても困るわけで。……まぁインデックスさんのアレはリスクとか何だとか全然関係ないんだけどネー。
:インデックスさんやアトラスさんはもう見守るしかできねーが、今日の話題とはまるで関係ないな……。
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