連載:気まぐれゲーム雑記 第258回:セインツロウ4に見る表現の難しさ、と言う話題
気まぐれゲーム雑記
第258回:セインツロウ4に見る表現の難しさ、と言う話題
世界基準とは実にややこしいモノなのです。
セインツの日本語版発売決定おめでとう
究極のバカゲーム(褒めてます)として名高い? セインツロウ4の日本語発売が決定しました。
いつ発売されるのかはさっぱりわかりませんが、ローカライズする時間やら何やらを考えると年末から来年にかけてくらいでしょうか。ともあれ、いちセインツファンとしては、日本でもそのクレイジーさ全開ではっちゃけて欲しいものです。
そんなセインツロウ4ではありますが、オーストラリアで初となる発売禁止ゲームに指定されるという名誉なんだか不名誉なんだかわからない称号を得る事になりました。詳しくはこちら。
ポイントをまとめると次の通り。
- オーストラリアでは、以前「Left 4 Dead 2」や「F.E.A.R. 2」などを発禁処分にしてきた経緯から、18歳以上を対象にしたレーティングが導入された
- セインツロウ4は、その18歳レーティングで初の発売禁止タイトルとなった
- 理由として、セクシャルバイオレンスや違法なドラッグの使用、推奨などオーストラリアのコンピューターゲームガイドラインによって禁止されている行為が含まれている
- 開発元のVolitionは、問題のコンテンツを削除し、オーストラリア版の開発を進めている事を明言
まぁ、こう、やっぱりね、というところでしょうか?
というわけで、今日はそんなセインツロウ4に見る表現規制ってややこしいなぁという話題をしてみようかと思う次第です。
各国のレーティングは色々と違う
当然のことではありますが、国によって考え方は大いに違います。考えが違うのは、文化や言語が違うのだから仕方がない事です。セインツロウ4のプロモーションとして公開されたムービーは実に最高のばからしさを提供してくれつつも、全裸のプレジデントは色々と賛否両論になるのも間違いない事でしょう。特にゲームを知らないような人達にとっては、嫌悪する事さえも予想できてしまいます。
愛すべき馬鹿ゲーの極みこと、セインツロウ4のプロモーション
日本でもこういった動きは昔からあり、特にグロいものについては結構シビアな規制が敷かれました。「デストロイオールヒューマンズ」がその典型的例でしょうか。あのゲームは、日本ではセガらしい素晴らしき馬鹿ゲーの一つとして数えられていますが、その実は海外版のままでは表現に問題があって発売できなかったため、内容そのものをバカっぽくローカライズしたという奇跡の一作です。……これもまたセインツロウと同じTHQの作品なので、THQがどういった方向を目指したかったのかが何となく見えて来そうな気がしてなりません。
今となっては最後の「THQ」の文字が切ないデストロイオールヒューマンズのOP
また、これらの規制は国ごとに違うからさらに厄介です。日本では何ら問題がなさそうなペルソナ3・4や真・女神転生III-NOCTURNEも、アメリカやカナダのレーティング審査を行っているESRBでは17歳以上の判定となっています。宗教観や言葉使い、そういったものも影響してしまうのが規制なので、非常に取り扱いが難しいというのがよく分かる事だと言えるでしょう。
こういった規制は、主にゲームを知らぬ人達が騒ぎ立てないようにするため敷かれている、というのが基本にあります。ゲームは今でこそメジャーになったものの、昔は良いモノの対象として見られていませんでした。そういった部分が尾を引いているのは確かですし、ルールをある程度決めておくに越した事はありません。……そのルールを誰が作るのかもまたややこしいわけですが……。
幸いにして、セインツロウ4はそういったレーティングの問題を解決しようと動いているようなので問題はなさそうですが、世界市場を睨んだ動きを見せている大企業にとっては実に面倒な話でもあります。こういった問題が今後どこへ向かうのかはまだまだわかりませんが、政治やら法律やら面倒な話が入って来ない事を願いたいものですね。
しょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会
:セインツロウがオーストラリアで新設された18歳レーティングでひっかかって発禁処分になったけど、オーストラリアバージョン作るって発表があったよーってお話です。
:そこらへんはもうセインツロウだからしょうがないんじゃね?
:ま、そうなんだけどね。セインツに限らず海外と日本だけでも表現規制云々って話はたくさんあるから、これもまたその一例なんだろうと思うよ。……日本語版セインツロウ4の無修正発売は、PC版以外無理なんだろうなぁ……。
:あのプロモーション見た時点で気づけよ。
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