レビュー3DS版「魔女と勇者Ⅱ」:二人同時に操作する事の難しさと楽しさが混在する8ビットテイストなアクション

魔女と勇者Ⅱ

2人を同時に動かすアクションなんです。

読んでも読まなくてもよい前置き

これでもかというくらいわかりやすいモノは、“直球”と例えられる時があります。ほら、レベルファイブの日野社長も、次回の“レ”が付くタイトルは「どストレートな熱血モノ」だそうですし、色々と伝わりやすい。ある意味で、王道と呼ばれるタイプにも通じるところがあります。

で、アクションの多くは、一人で1キャラクターを動かします。アクションというジャンルは、だいたい瞬時の判断を求められるタイプが多いですし、プレイヤー=キャラクターという方程式を成り立たせるという価値もあるからです。

……だからこそ、一人で2キャラクターを同時に動かすアクションは変化球で良いという事になるわけです。

あ、ここまでが前置きです。

操作キャラクターが2人になった事でゲーム内容が劇的に変化

さて、3DS版「魔女と勇者Ⅱ」のレビューとなりますが、当方“ヤミ”まできちんとクリアしました。レベルは95となっています。ヤミについては、またあとで説明しますが、とりあえず余すことなくクリアしたと思っていただければ幸いです。

戦闘の基本は、体当たりで魔女の逃げ道を切り開きながら聖剣で荒ぶる“勇者”(左スライドパッド)と、2種類の通常魔法と強化魔法の使い分けが重要な“魔女”(ABYXボタン)を「同時に操作する」事になります。ルールは前作と同じく、魔女がやられたらゲームオーバーになっているので、全方位から押し寄せてくる敵を勇者でなぎ払いながら、上手く魔女を逃がし続けてやるのが基本的な行動になります。

前作は、勇者一人のリソースを上手く管理していけば、ラスボス戦以外はどうにでもなったわけですが、今作は魔女と勇者を同時に動かすことになるので、何気なく2キャラ同時に見守らないといけないのがポイントとなっています。とはいっても、基本的には勇者と魔女は近くで行動する事になるでしょうから、どちらかのみに集中、というシチュエーションにはなりづらいですが、なにぶん魔女側の「ボタンによる移動」というのはどうしても慣れが求められるところになります。慣れないうちは、ゲームオーバーにはならないとしても、結構慌てるようなシチュエーションには遭遇する可能性も否定できません。

強化要素も、前作と同じくお店で強化する事になります。今作は、前作のラスボス時に起きた「ノーヒントでクリアするのは厳しい」現象は発生しないので、基本的にはちゃんと強化していけば問題なくクリアできるでしょう。やはり、前作のラスボスは色んな意味で凶悪でした。

クリア後の要素として、前作同様「じげんのとう」「しれんのとう」があり、こちらは特定のルールでハイスコアを狙うモノになっています。また、クリア後に表示されるコマンドを入力うする事でプレイ可能な「ウラ」モードも健在ですが、「ウラ」モードをクリアするとその次の「ヤミ」モードに挑む事ができます。まぁ、シナリオなどが変化したということはないので、ある意味自己満足な領域でもあるわけですが、ヤミモードのステージ29なんかは結構な地獄具合なので、気になる人はやりこんで見るのも良いでしょう。

総括:2人になった事で管理も大変だし、もう一人プレイヤーが欲しいところではあるけど、その分達成感はある

前作との一番の違いは、やはり「操作キャラクターが2人になった」という事が一番でしょう。左手は当然のことですが、右手でもキャラクターを操作する、という状況はなかなか遭遇しないだけに、ちょっとした新鮮さは感じられるところでした。

前作から操作が複雑になったことに加え、キャラクターの管理を同時にしなければならないという大変さは、前作にはなかったモノです。敵がワラワラ出てきてラグくなるのは相変わらずですが、聖剣を使うタイミングがよりシビアになり、そういった意味での難易度は上がったと言って良いでしょう。そういったところで、好みが分かれそうな気がしないこともありません。

私個人としては、前作とは違った形なれど、魔女を必死に守るというプレイスタイルは嫌いじゃありません。ついでに、前作同様音楽も良い仕上がりですし、ストーリーも何となく良い感じにまとまっています。それに、本作はスマートデバイスでも配信されていますが、2人同時に動かすというのはタッチパネルよりもしっくりくるモノがありましたし、レトロ感があるゲームをやりたいなら、本作という選択も十分アリでしょう。

前作とは違った操作感で新しさを見せつけた一作ですが、カジュアルなゲームでも手軽ながらにしっかりと遊べる内容になっています。ちょっとした時間でできるゲームですので、そういったモノをお探しの場合は、魔女の逃げ道を必死に作る勇者プレイというのをしてみるのも良いかもしれませんね。

この記事を書いた人

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AZ :

「独り善がりなゲームログ with 電漫堂」の管理人。かつて編プロに勤めていたけど、気づいたらWEB屋になってた。ハンドルネームは「アズ」と読むはずだけど、かつてとあるゲームで外人さんからボイスチャットで「Hey! AZ(エイジ)!」と呼ばれて以来、どう読むべきなのかをかれこれ10年以上悩んでる。

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