連載:気まぐれゲーム雑記 第975回:ブランドはうまく使わないと反動が大きいという話

ブランドの先に見える“プレイヤー”を意識しないといけない

「誰のための」ゲームなのか

AZです。世間で何があろうとも、日々のお弁当作りは欠かさず生きています。

それはさておき、ブレスオブファイア6のメディア発表会がちょっと残念な感じだったという話題が出ているので、軽くふれておこうかと思います。

このメディア発表会は最近では当たり前になりつつあるネット中継も実施されたのですが、見ていたユーザーにはあまり受けがよくなかったというか、わりと酷評されていた模様です。

ゲーム概要はともかく、課金の内容に関する説明において、いわゆる「ガチャ」の課金割合を下げて、「ミッションの追加報酬」を得るための課金要素を導入すると発表。追加報酬の内容を見たうえで課金アイテムを消費するかどうか決められるという、ユーザーが納得できる課金形式を導入する予定とのこと。

基本無料ゲームにおいて、課金ガチャで“ハズレ的なモノ”が出て悪態をついたことは、プレイヤーなら誰しも経験があるのではないでしょうか。『BoF6』ではこういった運頼みの課金アイテムによる比率を下げていく……ユーザーにとっては悪くはない話だとは思うのですが、発表会を視聴していたユーザーにしてみれば「本格RPGと謳われていたからどんなものかと思ったけど、やっぱり都度課金が必要じゃねぇか」と映ったようです。加えて「いきなり俺らからどうやって金を取るかをドヤ顔で解説された」「ガチャじゃなければ(課金しても)いいと思っているらしい」という不満の声も……。

ネット上の声を鵜呑みにしてしまうとゲーム会社は最上級の作品を無償奉仕して倒産しなければならないので(苦笑)、話半分にするとしても、こうした課金戦略的な話は聞きたくなかったということも含まれるのかもしれません。「メディア発表会」なので、ユーザーに対してだけ発表する内容に留まらず、どのように収益を得ていくのかという話をするのは、わりとよくある光景です。なんでもオープンに話してくれるのは嬉しいのですが、今回に関しては、ユーザーの期待していた内容(追加課金のいらないコンシューマーゲームライクな続編)との乖離が激しすぎたということなのかもしれません。

[引用元:ジーパラドットコム

結構、無難な路線にまとめていますね。

一応わたくしめもブレスオブファイア6のメディア発表会はさりげなく見ていたのですが、課金の話ですっかり忘却の彼方になってしまったわけでして、ジーパラさんの記事の通り「ユーザーの期待していた内容(追加課金のいらないコンシューマーゲームライクな続編)との乖離が激しすぎた」というのには同感でした。こうなってしまうと、ブランドを使う価値が見いだしにくくなってしまいます。

確か、本作が発表された時も当ブログは“ブランドの使い方がアレすぎる”という話題を書いたような気はしますが、ブランドというのはそのブランドに期待している人たちをターゲットに据えるわけでして、その人たちを取り込めなければそのブランド名を使う価値は結構なくなります。そうなってしまうと、タイトル名だけで話題を呼ぼうとしている何かになってしまうのは言うまでもなく、そこらへんの舵取りはきちんとやっていく必要があるわけです。

ブレスオブファイア6のメディア発表会は、課金について誠実に考えた結果として、そういった課金についての話をきちんとしようという思惑があったことは確かでしょう。以前、4Gamerのインタビューで杉浦氏もそんな感じのことを申しておりましたし。しかして、結局のところゲームというのは「面白いor面白そうだから、課金するor買う」わけであって、その前提がないことには金を出すもへったくれもありません。ようは、シンプルな話で「ゲームの魅力を思う存分語って魅了すれば良かった」だけのことだったりします。その上で、課金形態が良いと評価されればなお良いというのは、わかりきった話でしょう。

カプコンの運営でうまく回っているタイトルがどれほどあるかは何とも計り知れないわけですが、ゲームに限らず娯楽商売というのは体験してもらう人に最高の体験をさせてあげる事こそ重視されないといけないところがあります。企業として、利益のためにいろいろとブランドを使うのもビジネスなので問題はないのですが、それをうまく使わないとブランドが死に絶えるだけなので、うまいことコントロールしてほしい限りですね。

連載:気まぐれゲーム雑記 第975回:ブランドはうまく使わないと反動が大きいという話に関するしょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん:ブレスオブファイア6のメディア発表会の話題があったんで、まぁブランドを有効活用できてないってのは実にもったいないなーってな話題です。

しゃきーんさん:ブレスオブファイアという名に期待を寄せる人たちってのは、それなりにいただろうにな。

しょぼーんさん:まぁ実際始まってみりゃ好評かもしれんし、始まるのを待つしかないね。ただ、ブランドの使い方と、発表に求められている内容を正しく読み取れ、とは思うかな。……カプコンの運営といえば、イクシオンサーガが脳裏をよぎって実に心温まるモノを感じてしまう次第です。

しゃきーんさん:……もう終わったゲームの事は触れないようにしようぜ?

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